TK1911T cal. 44TK⑥

最終確認から待つこと一週間…
遂に届きました!
3Dプリントされたスライドとアウターバレルです!





しかし…
表面が粉を吹いてザラザラしています。
「化石かよ!?」と叫びたくなる程の荒れ具合です!
これはちょっと…

普通に見た状態です。
何となく粉っぽい感じがします。



拡大します。
何やら表面がザラザラして見えます…



さらに拡大します。
もはや正視できない程のザラザラボコボコ状態です!
うわぁぁぁぁ!



え…

気を取り直して解説します。

今回のスライド製作に使用したのはPA12(ポリアミド12)というナイロン系の素材です。耐摩耗性に優れる素材で様々な分野で利用されています。
コチラです



最初に聞いた時は「エアガンにナイロン素材?」と思いましたが、実はHW樹脂も広義のナイロン素材です。ABS樹脂にただ鉄粉を混入してもHW樹脂にはなりません。両者は元になる素材が異なります。
PA12は耐衝撃性に優れたエアガン向きのナイロン素材です。むしろ鉄粉を混入するHW樹脂の方が質感と引き換えにナイロン素材の耐衝撃性を失っていると言えます。



3Dプリントは素材を下から上へ積み重ねて対象物を造形します。完成した造形物は薄い板が何百枚も重なった積層構造になっています。3Dプリントにも色々な方式がありますが、素材を積層して対象物を造形する方法論はすべて同じです。

このため素材の積層方向と垂直方向の断面は粒状の凸凹になり、水平方向の断面は線状の凸凹になります。
これが3Dプリントされた造形物がザラザラになる理由です。



実はPA12を3Dプリントすると完成品がザラザラ状態になるのは知っていました。
オラガバニストのあじゃさんが3Dプリントした部品を使用してカスタム銃を製作してらっしゃいます。
最近の記事はコチラです

しかし知識として知ってはいても、実際に自分が依頼した部品がザラザラ状態で送られてくると驚きます! ブラスト処理どころではない「化石状態」です! 最初は失敗作かと思いました!



とはいえ造形そのものは正確に行われています。
Fサイトもセレーションも極小の刻印もビシッ!と成形されています。
ダストカバー部分の曲線など素晴らしい完成度です。

スライド右側の刻印も正確に刻まれています。
工法が異なるので機械彫りのシャープな刻印とは印象が違います。3Dプリントの刻印は金型成型の刻印に似た雰囲気です。







上から見ると3Dプリントの実力がよく判ります。
波状のセレーションが一本一本正確に刻まれています! コレは凄い!
F/Rサイトの造形も素晴らしいです!





実はこのF/Rサイト…なんと取り外し可能です!
事前に聞いてはいましたが、ホントに取れると感動します!
コレはF/Rサイトとアリ溝の双方が完璧に同じ寸法で造形されていなければ実現不可能な「神業」です!
凄まじい造形能力のさです!





マッドさんのエアガン用アレンジでFサイトにドットを入れて頂きました。コレでRサイトの二点ドットと合わせて三点ドットで標的を狙えます。
F/Rサイトのさもバッチリ合ってます! 完璧です!





アウターバレルの刻印も正確に刻まれています。
凸凹が酷いので判別し難いですが…



先端の段付き形状も完全再現されています。
こういう複雑な形状を完璧に再現してしまう3Dプリンターは本当に凄いです。
超高性能な超高級3Dプリンターだからこそ可能な造形です。



それではスリ合せと作動確認のために内部パーツを組み込みます。
いくら外観が良くてもパーツが組み込めないのでは意味がありません。安い社外スライドの様にアチコチ削らないと入らないかと思いきや…





なんと一発で入りました! 完全ポン付けです!
内側の複雑な形状まで純正スライドと完全に同一です! コレは凄い!

インナーバレルも問題なく入ります! コチラもバッチリです!
実銃TK1911Tに合わせてストレートブローバック仕様で製作して頂いたのでロッキングラグはありません。疑似ショートリコイル機能を完全にオミットしています。
チャンバーカバーとチャンバーが密着しているのが判ります。



おかげでインナーバレルがタイトに収まります! インナーバレルはライフリングの間から僅かに見える程度です。
1911系とは思えないアウターバレルと銃口の細さがポイントです! ココまで細いと異様な感じがしますが、あくまでも実銃を忠実に再現しただけです…



スライドを組み立てます。
リコイルSPガイドも全く干渉しません。完全ポン付けです!
あっという間に完成しました!



分厚いスライドに細いアウターバレル。通常の1911系では見られない光景です。
実銃の試作モデルそっくりになりました。
色まで似ているのは単なる偶然ですが、こういう色も悪くないと思います。





バレルブッシングをご覧になればお判りの通り、前回の記事を書く前にスライドが到着していました。しかし先週今週と仕事が非常に忙しくて記事を書く時間が取れなかったので、先にバレルブッシングを加工して記事をUPしました。

上の写真で中途半端なテーパー加工状態のバレルブッシングを使用しているのはそのためです。記事の順番が後先になってしまいました。


それではスライドとフレームを合体させます!
もちろん不具合は一切ありません! 調整不要のポン付けです!





この状態で3マガジン撃ちましたが全く問題ありません! 綺麗に全弾撃ち尽くしてバシッ!とホールドオープンします!
実は純正スライドよりPA12製スライドの方が少し重いのですが、軽やかに回転してバシバシ発射します。バルブをすべて社外品に交換しているのが効いています!

唯一、組み込みの際に気になったのが…
Anvil製ロングリコイルスプリングガイドです。



サンコーさんのオリジナルブランド "KSK" 扱いの商品を購入ましたが、amazonでこの商品をレビューしてらっしゃる皆様全員が「加工が必要」「擦り合わせが必要」と記されているのが気にはなっていました。

すると案の定…



この突起が邪魔でブランジャーピンを押し込めません! なぜこんな突起が成型されているのか全く理解できませんが、とにかく邪魔です!
とりあえずケガキ棒でブランジャーピンを押し込んで組み立てましたが、分解/組立の度にケガキ棒が必要なのは正直メンドクサイです…

という訳で削り落としました。
ムダに硬いスチール製の突起もハイス鋼の切削ビットにかかれば秒殺です!





コレで普通に組み立てできます。工具ナシのポン付けです。
3Dプリントされたスライドとアウターバレルの素晴らしさを見せつけられた直後だけにイライラが倍増しました!

どう考えても高額な販売価格に見合うクオリティとは思えません!
Anvil製品は定価の半額が適正価格だと思います…



スライドとアウターバレルは素晴らしい完成度です!
加工ナシでポン付けOKなだけでも驚きなのに、擦り合わせナシで快調作動するとは思ってもいませんでした! スライド下側を削る程度の擦り合わせは必要だろうと予想していましたが、良い意味で裏切られました!



3Dプリントは凄いです! ウソ偽りなく驚愕します!
さすがは最先端技術だけの事はあります! 素晴らしいクオリティです!
業務用3Dプリントはコチラです

現状では表面のザラザラを処理しないといけないのが唯一の難点です。
技術が進歩すれば、やがてツルツルの造形物を成型できる3Dプリンターが登場するのも時間の問題なのでしょうが…

次回に続きます!




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