TK1911T cal .44TK①

今回から新しいカスタムを始めます。
もちろんBodyguard380も同時進行しますのでご安心下さい。

今回はマルイMEUピストルをカスタムして "TK1911T" という名前の1911クローンを製作します。とはいえこんな名前の銃が存在する事は恐らく誰もご存知ではないと思います。".44TK" って何? .44マグナム仕様!? と驚かれるかも知れません。



コレがTK1911Tです。何とロシア製1911クローンです!
この銃はロシアのテクリム社(TECKCRIM JSC)が今年発表した新製品です。現在様々なショーへの出品や動画の公開など積極的な広報活動が行われています。
コチラです

何と今月11日から14日にモスクワで開催された "Arms & Hunting" ショーで撮影された最新バリバリの動画が公開されました! 情報発信が早い!
コチラです


中盤で "セラコート" という言葉が聞こえる通り、この銃にはセラコート仕上げのカラーモデルが6種類ラインナップされています。
コチラがカラーモデルの色見本です。色番号が記載されているので6種類ともセラコート仕上げで間違いないと思います。恐らくこの6種類が標準モデルで、動画の終盤に登場するブルーイング&ポリッシュ仕上げ+木製グリップのモデルは特注?別シリーズの高級モデル?なのかも知れません。




カラーモデルの写真です。アースカラーとダークシルバーのセラコートモデル二挺とブルーイング&ポリッシュ仕上げのモデル一挺が撮影されています。
グリップは三挺ともM1911A1風の樹脂製です。



この三挺は "Arms & Hunting" ショーの動画が公開される一週間ほど前に公開された動画で華々しく紹介されています。外観のお披露目と発砲シーンと工場での生産工程がノリの良いBGMと共に映し出されるスタイリッシュな動画です。
コチラです


"Arms & Hunting" ショーの動画は数多く公開されています。その中でテクリム社のブースが詳しく紹介されている動画を見つけました。
最初に同社のハンティングライフルが数多く紹介されます。その次にTK1911シリーズ、そして "P226 TK-Pro" のカラーモデルが紹介されます。
コチラです


テクリム社は2015年にSIG P226ベースのP226 TK-Proを発売してハンドガン市場に参入しました。この銃は主要なパーツを輸入して自社で組み立てるOEM製品ですが、使用弾薬は9×19mm弾から同社オリジナルの弾薬に変更されています。
コチラです



対するTK1911シリーズは鋳造ながらすべてのパーツを自社で製造しています。使用弾薬も同社オリジナルです。遂にパーツの製造から組立までの全工程がロシアで行われる正真正銘100%ロシア製の1911クローンが誕生しました!
この銃の発表で同社は名実共にハンドガンメーカーの仲間入りを果たしました。



テクリム社の所在地はロシア西部のウドムルド共和国です。首都はイジェフスク機械製作工場(現在のイズマッシュ社)で有名なイジェフスクです。
コチラの旅行記で詳しく紹介されています



同社は1991年にイジェフスクで創業した比較的新しい株式非公開会社です。当初は護身用スプレー等のアウトドア関連製品を販売していましたが、非致死性ゴム弾や無鉛無毒スラッグ弾を発売して銃器市場に参入します。冷間鍛造バレルを使用したハンティングライフルを発売してライフル市場に参入し、2015年にP226 TK-Proを発売してハンドガン市場へ参入しました。
同社の製品はカナダ、カザフスタン、イスラエルでも販売されています。
コチラです


コレが同社の非致死性ゴム弾です。最新ロットは黒い薬莢が使用されていますが、以前のロットでは銀色の薬莢が使用されていました。

P226 TK-Proが使用するのは10×28mmです。内径10mmの薬莢内に球形の11.5mm非致死性ゴム弾が装填されています。11.5mm≒.45インチですが.45ACPの銃口初速850ジュールに対してこの弾薬の銃口初速は僅か90ジュールです。
弾薬の初速はコチラです

一般に非致死性ゴム弾仕様の銃は「スポーツ射撃用の空気銃(エアガン)」に分類されます。ここでいう "空気銃" は実銃です。日本の "エアソフトガン" とは別物です。
動画はコチラです


TK1911シリーズには三種類のモデルが存在します。
コチラです

 ・ TK1911     9×19mm
 ・ TK1911CX 10×31mmブランク弾(空砲)
 ・ TK1911T   45ラバー弾または.44TK

最初に開発されたのがヨーロッパで主流の9×19mm仕様です。コチラは空気銃ではなく殺傷能力を有した完全な「対人用武器」です。まず初めに銃器市場で抵抗なく受け入れられる無難なモデルを開発したのだと思われます。



次に開発されたのが10×31mmブランク弾(空砲)仕様のTK1911CXです。ロシアでは所持に何の届出も許可も必要ない空砲仕様のハンドガンが非常に人気があります。日本での発火式モデルガンに相当するモデルです。



そして最新モデルが今回のTK1911Tです。この銃は.45ラバー弾と.44TKの二種類の弾薬を使用できます。普通に考えると「.45口径と.44口径は全く異なる弾薬」になりますが、実は両者は同じ11.5mm≒.45インチの非致死性ラバー弾が装填された弾薬です



左側が.45ラバー弾で右側が.44TK、中央が.45ACPです。.45ラバー弾は.45ACPと薬莢のサイズがほぼ同じなので、11.5mm≒.45インチの非致死性ゴム弾仕様には最適の弾薬です。しかし「薬莢が小さい方が単価が安くなる」という理由でAKM等で使用される7.62×39mmの薬莢を.45ACPの長さに短縮して11.5mm非致死性ゴム弾を装填したのが.44TKです。.44マグナムとは全く関係がありません。



つまり10×28mmも.45ラバー弾も.44TKもすべて同じ11.5mm非致死性ゴム弾が装填された弾薬なのです。全く異なる薬莢に同じ弾頭を装填する滅茶苦茶さや ".44TK" という意味不明なネーミングなど、おそロシア全開の弾薬です!



改めてTK1911Tを見てみます。
「スライド左側に刻印を施す」という1911系のセオリーを完全無視してスライド右側に刻印が施されています。他にもよく判らない記号やシリアルナンバーが右側にゴチャゴチャ刻印されていますが、左側はほぼ完全に無刻印です。



コチラは上の写真の前に公開された試作モデルと思われる写真です。この時点ではスライド左側に刻印が施されています。変な記号もありません。シンプルで好感が持てる外装仕上げです。

ただこのままでは無数に存在する1911クローンと外観上の差別化が図れないのは事実です。そこで思い切って刻印をスライド右側に変更したのかも知れません。あるいは「単にデザイナーが変わり者だった」のかも知れませんが…
動画はコチラです


普通の1911系の動画はコチラです
Rock Island Armory M1911 TacticalⅡです


.45ACPのズドン!と腹に響く野太い発砲音に対して.44TKは7.62×39mmベースの細い弾薬なので9×19mmに近い独特のカン高い発砲音を発します。とても1911系の発砲音とは思えません。
独自形状のF/Rサイトや中途半端な本数のフロントセレーションや9mm口径バレルそっくりの段付き形状バレルなど、変態チックな見どころ満載です。

今回はこの1911クローンの究極の異端児を製作します!
昨年のエル・ポトロを超える極北の存在です!

次回に続きます!




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