スライドの続きです。
削り過ぎで内側のレールが浮き出た部分が何箇所か見つかったので、とりあえず現状のスライド強度を確認するために仮組みして作動させ、様子を見てみます。
仮組みですがほぼ完成形です!
問題がなければ私の加工は終了です。後はマッドさんに刻印加工と塗装をお願いする事になります。
問題がなければ…
作動は快調そのものです! もの凄いブローバックスピードです!
スライドをギリギリまで削り倒して紙の様に軽くしてるので当然です。
そのせいでスライドが真っ二つに割れないか心配です。
慣らし運転を兼ねて10マガジン程撃ちました。
とりあえずスライドが破断する心配はなさそうです。
薄くてもABS樹脂は丈夫です!
しかし…
薄いのも限度がありました。
平面部分のレールが浮き出た部分がパッキリと割れて穴が開きました!
割れたのは後ろ側ですが、前側も割れそうになってます。
放っておくと前後の割れ目が繋がって横一直線に穴が開きそうです。
これはヤバいです…
作動の度にシャーシのレール部分が内側からゴリゴリ圧力をかけてきます。
いくらABS樹脂が丈夫でも、こんなに薄くては耐えられずに割れてしまいます。
反対側は割れていませんでしたが、いつ割れてもおかしくありません。
更に10マガジン程撃つと、今度は後方のセレーションの内側が浮いてきました!
スライドを前後させるとレールが当たる度にペロンとめくれます。
ココも割れる寸前です!
でもって全体を詳細にチェックすると、なんと前方のセレーションの内側も割れそうになっていました!
おいおい…
セレーションの内側はプラリペアで補修して誤魔化すしかありません。
少し浅めに彫り直して補強と修正を行います。
問題は割れてしまった平面部分です。
これはもうプラ版を貼って補強するしか修正の方法がありません。
プラリペアで修理できる限度を超えてます。
という訳で、まずレールの内側にセロテープを貼って…
0.3mmのプラ版を二枚重ねで0.6mmにして貼り付けます。
同時にスライド最後部にも同じ0.6mmのプラ版を貼って補強します。僅か0.6mmですがスライドが引きやすくなる効果もあると思います。
プラ版なんて買ったのは小学生の頃以来ですね~
タミヤとウェーブの0.3mmを両方買いましたが、キズや削り具合が分かり易そうなグレー色のウェーブのを貼りました。
写真では白色にしか見えませが、濃過ぎない普通のグレー色です。
反対側も同じ様に貼りました。
最近は「ABS用接着剤」なんてあるんですね~今回初めて知りました。ABS樹脂って「特殊な樹脂」に分類されるんですね。
言われてみれば「硬いのに弾力がある」って矛盾してますよね。そういう「特殊な樹脂」ってポリプロピレン系(PP)だけだと思ってましたが、テッポー趣味では超お馴染みのABS樹脂も広義の「難接着素材」に含まれると知ってちょっと驚きです。
という訳で今回の作業では「タミヤセメントABS用」を用意して作業しました。
使った感覚は普通のタミヤセメントより粘りがある感じです。
で…
プラ版と割れた平面の間にこれでもかと隙間が空いてます。
平面を下方向に削り過ぎていた証拠です。これだけ削ってしまえばレール部分が割れても仕方ありません。
この隙間にプラリペアを流し込んでプラ版をガチガチに固定します。
ココ以外のすべての隙間にもプラリペアを流し込んで接着固定します。
プラリペアは流し込むだけでなく、プラ版とスライドとの隙間を埋めて整形するためにも使用します。
同時に割れそうなセレーションも補修します。
しかしプラリペアのリキッド(硝酸メチル)が強力過ぎるのか、流し込む分はともかく表面を整えるプラリペア盛りは慣れが必要です。
ちょこっと盛ろうとするとプラ版(スチロール樹脂)が溶けてネトネトになってしまいまうので難しいです。
そんなこんなで、ザックリ仕上げてみました。
慣れるとなんでもないのでしょうが、初めてだとコレが限界です。一応平面出しを行っていますが、プラリペアと溶けたプラ版が混ざった部分がザラザラしています。
赤丸で囲った部分はプラリペア浅削りで補修したセレーションの補修箇所です。
セレーション自体も整形し直しています。
反対側です。
初めてにしては上出来だと思います。
コチラ側のセレーションも整形し直しました。
この状態でプラ版がスライドから0.1mm低い位です。
わずか0.6mmの補強でほぼツライチとは…スライドの削り過ぎもいいとこですが、この補強でかなり剛性が上がりました。やはりこの平面部分の無理な削り込みが相当剛性を落としていた様です。
スライド後端です。
こちらも左右各0.6mm増えて格段に頑丈になりました。
整形の過程でエキストラクターのモールドが消えてしまいましたが、それは作業前から分かっていた事です。
どうせ真っ黒に塗装するので気にならないと思います。
前方のセレーションもプラリペア浅彫りで補修しました。
塗装後に割れない事を祈ります。
最後にスライド全体を1,000番のペーパーで隅々まで仕上げます。
これで私のスライド加工は終了です。
細かいアラは色々ありますが、後はマッドさんのウデでカッコイイ刻印を彫って美しく塗装してもらうだけです。
下処理と修正が大変でしょうが…
それでは最後の仕上げに移ります。
F/Rサイトです。
フロントサイトは上の仮組み写真に写ってますが、改めて紹介します。
Airsoft Masterpiece製のInfinity Type1フロントサイトです。
コチラです
ご覧の通り、集光ファイバーはピンクと黄色です。
商品説明では「赤と緑」になってますが、誰がどう見てもピンクと黄色です。
見た瞬間に「え?」と思いましたが、別に赤もピンクも大差ないので構いません。
ただ購入後に「違うじゃねーか!」と怒る方もいらっしゃると思いますので、LAさんには至急「ピンクと黄色」と書き直して欲しいです。
組み立てるとこんな感じです。
クドイですが赤ではなくピンクです。
Infinity Type1フロントサイトとの事ですが、今回の ”Fast8 Pistol” のフロントサイトとは形状が違います。
”Fast8 Pistol” のフロントサイトはコチラです。
分かり難いですが前後に柱が二本立った形状が確認できます。
間違いなくこのフロントサイトです。
このフロントサイトが最新モデルなのでしょう。公式サイトにはこのフロントサイト一種類だけが掲載されています。
Airsoft Masterpieceが商品化したフロントサイトは型落ちモデルの様ですが、私はコチラの方が頑丈そうで頼もしいので好みです。
最新モデルは360度集光可能なので効率が良さそうですが、型落ちモデルも十分光ってくれます。
リアサイトも独自形状です。
本当に何もかも手を加える必要のある銃です。
良く言えば「作り甲斐がある」ですが、悪く言えば「メンドクサイにも程がある」です。
”Infinity Tactical Rear Sight” です。ブレード両端の逆Rが特徴です。
ホントに逆Rの好きな銃です。
コチラはハッキリ確認できます。
社外品にはブレード両端が逆Rではなく真っ直ぐ斜めにカットされた ”Infinity Competition Rear Sight” しか存在しません。しかも二点ドットが彫られているのでコレも型落ちモデルの様です。
コチラです
逆Rが ”Tactical” で真っ直ぐが ”Competition” である意味が分かりませんが…
造形的にメンドクサイ前者が装着されている以上、純正リアサイトを加工するしかありません。
という訳で加工します。
ちょっと削り過ぎた感はありますが、こんな感じになりました。
ちょっとどころではない削り過ぎです…
でもまぁ、端っこを逆Rにしただけじゃ面白くないので…ではなくて、失敗と修正の繰り返しの産物です、ハイ。
できればもう一度やり直したいのですが、書留注文…
我慢して黒染めします。
コレジャナイ感もありますが上手く染まったので良しとします!
個性的なリアサイトになりました!
今回リアサイトは最初から黒染め仕上げにするつもりでしたので、萎え刻印をジーナスで埋める加工は行っていません。
ジーナスを使うと塗装になりますが、F/Rサイトは必ず剥げるので止めました。
良く見ないと分からない小さな刻印なので気にしません。
サイトピクチャーはこんな感じです。
今までこの手の集光サイトには「すぐ壊れそうで華奢」な印象があったので好きではなかったのですが、これだけ狙いやすいと考えが変わります!
黒いブレードのノッチから赤く(ピンクですが)光るフロントサイトが見えるので物凄く狙いやすいです。
ただブレードの削り過ぎで狙いやすさが減少したのは事実です。本来ブレードで遮られるべき視野が広がり過ぎてフロントサイトが前方の景色に溶け込んでしまいます。
これでは黒いブレードの中に光るフロントサイトの一点を狙うこのサイトシステムの利点が100%生かせません。
やはり左右の逆Rは最小限にするべきでした。
気が向いたら加工し直します。
AIP製120%リコイルスプリングは強過ぎますが使わないのは勿体ないので、三巻きだけカットして組み込みました。
たった三巻きですが効果絶大! リコイルの鋭さが格段に増しました!
スライドに組み込んだ状態です。
スペーサー的に純正スプリングの伸縮幅を絶妙に短縮しています。
コレはセレーション補修前に撮った写真ですね。
同じくAIP製の120%リターンスプリングを組み込みました。
新品のプリーチ&シリンダーに新品のロケットバルブシリンダーヘッドを組み込んだので、シリンダーの動きが渋くて戻りが悪かったのです。
コレが改善されました。
常に後退した位置にシリンダーが待機します。
コレはコレで気持ちが良いです。
ま、給弾不良するほどの渋さではなかったので、自己満足の世界ではありますが。
さて! これですべての用意が整いました!
組み上げるとこうなります!
カッコイイ…
微妙な修正が効いて全体が締まって見えます!
人間、やればできるもんだ…
ディンプルグリップを選んで大正解でした!
純正流用のゴールドアウターバレルもキマってます!
この状態で2マガジン撃ちましたが、加工部分の耐久性は大丈夫そうです。
この銃は作動に関しては全く問題ありません。
いよいよマッドさんに刻印加工と塗装をしてもらうために大阪に送ります!
さて! どんな姿で帰ってくるのでしょうか!?
楽しみです~♪
おはようございます。(o^^o)
久々のコメントよろしくお願いいたします。m(_ _)m
いつも製作記を拝見させていただき…凄くリアルに追い込むなぁ~と、尊敬しております。(o^^o)
自分も、なんちゃってカスタムをする一人として…加工方法やリカバーを凄く参考になります。m(_ _)m
SV infinity の完成も、もう一息ですね。
カッコイイっす。*\(^o^)/*
tatsupapaさん、いつもコメントありがとうございます。
今回は物凄く苦戦しています。加工の紹介より修正の紹介の方が多いんじゃないか? な記事を書き続けて九回目…
マッドさんは職人気質な方なので、あまり変なのを送るとご機嫌w(以下、自主規制)
という理由もあって今回はいつも以上に気合いが入ってます。
明日にでも大阪に送る予定です。
帰ってきたら記事にしますので、楽しみにして下さい!