Randall 1911 Model B111④


今回はフレームの左右反転を行います。




まずマガジンキャッチを加工します。




マガジンを掴む突起を加工します。マガジンキャッチを左右反転すると、突起が180度回転して上下が逆になります。逆になった状態でキチンとマガジンを掴むには、上下が逆になった時に上側になる部分がマガジンに対して垂直な平面になっている必要があります。




黄色い丸で囲んだ突起の左側を加工します。








この部分を切削ビットで削って平らな平面にします。












マガジンキャッチ自体の加工はこれだけでOKです。




1911系のマガジンキャッチは、内部に組み込まれたマガジンキャッチロックがスプリングのチカラでフレーム内側に押し付けられて固定され、マガジンキャッチロックのストローク分だけマガジンキャッチがフレーム内で左右に動く、非常に単純で合理的な構造です。




このためマガジンキャッチ自体に特別な加工を施さなくても、単純に左右反転させてフレームに組み込むだけで正常に機能します。








但しマガジンキャッチ自体は無加工でOKでも、フレームを加工しなければマガジンキャッチを左右反転させる事はできません。M92系やS&Wオート等はマガジンキャッチ/フレーム共に完全無加工でマガジンキャッチの左右反転が可能ですが、設計の古い1911系はそういう訳にはいきません。




マガジンキャッチ右側の平面部分をフレーム左側の穴の上に置いて、輪郭をケガきます。












切削ビットでケガキ線の通りに穴を開けます。








マガジンキャッチを組み込みます。








フレーム右側はこんな感じです。左右両側にヒョウタン型の穴が開いた状態なので、マガジンキャッチはグラグラです。








プラリペアを盛り付けて、フレーム右側の穴を埋めます。








硬化後にマガジンキャッチを取り外し、余分なプラリペアを削り落として整形します。












マガジンキャッチの取付方法は加工前と全く同じです。








ちゃんとフレーム内側の左側にマガジンを掴む突起があります。これでマガジンキャッチの左右反転は完了です。








次にマガジンを加工します。




左右反転したマガジンキャッチが掴む凹部分を成型しなければ、マガジンを装着する事はできません。切削ビットでマガジンに凹を刻みます。








正確には凹ではなく「ノッチ」です。マガジンが適正位置まで挿入された時に、マガジンキャッチの突起に乗るノッチを成型します。ノッチの下側はマガジンキャッチに干渉しなければOKなので、緩いスロープ状に削ります。








この状態で仮組みしてトリガーを引くと「バスン!」と力強くブローバックします! ジェリコの様に作動不良の無限ループに陥る事もなく、見事に一発で正常作動しました!




これは凄い! 素晴らしい!








しかしノッチ部分を削り過ぎたのかノッチの形状そのものが悪かったのか、ブローバックの振動でマガジンが抜け落ちてしまいます。指でマガジンキャッチを押し込んでブローバックさせれば落ちないので、単純にマガジンキャッチの保持力が足りない様です。




要調整です。







次にハンマーピンとシアーピンを左右反転させます。




シリーズ’70は片側セフティなので、ハンマーピンとシアーピンの先端がフレームから突出しています。ランドール製1911もシリーズ’70に準じた片側セフティなので、フレームから二本のピン先端が突出します。右利きモデルの場合は右側、左利きモデルの場合は左側です。







純正では右側にピン先端が突出しています。








左右反転したピン頭が収まる様に、フレーム右側の穴を少しだけ広げます。








フレーム右側からピンを挿し込みます。








フレーム左側にピン先端が突出しますが、フレーム左側のピン穴はピン頭の直径なので、ピン先端はグラグラです。




プラリペアを盛り付けて隙間を埋めます。








硬化後に余分なプラリペアを削り落として整形します。これでハンマーピンとシアーピンの左右反転は完了です。








次はサムセフティ取付部分です。




1911系のサムセフティは、セフティ自体がスライドの切り欠きに入り込んでスライドの前後動をブロックすると共に、内側の突起がシアーの回転をブロックする構造になっています。これは実銃もエアガンも同じです。




コチラです。











この突起はフレーム左側の穴との合わせ技で、サムセフティの回転範囲を規定する役割も果たしています。これがなければサムセフティが360度グルグル回ってしまいますが、回転範囲が規定されているので、セフティ解除時に下方向に回り過ぎる事もなく、分解時に上方向に回り過ぎる事もありません。








今回のカスタムではサムセフティも左右反転させますが、ハンマー内部のメカニズムはそのままです。そのためシアーの回転をブロックする機能を再現する事はできませんが、回転範囲を規定する機能とスライドの前後動をブロックする機能は再現できます。




フレーム左側にサムセフティ内側の突起が入る穴が開いています。これと同じ穴を切削ビットでフレーム右側に開けておきます。




回転範囲を規定できればOKなので、穴のカタチは適当です…








続いてスライドストップの取付部分です。




フレーム左側にスライドストップ内側の突起が入る四角い切り欠きが設けられています。この切り欠きはインナーシャーシにも設けられているので、この切り欠きを左右反転するには、ABS製フレームと亜鉛合金製インナーシャーシの両方を加工しなければいけません。








切り欠きの隣にフレームとインナーシャーシを固定するネジ穴が開いていますが、このネジがなくてもインナーシャーシの固定に支障はありません。スライドストップを左右反転すると露出する部分なので、この穴は埋めてしまいます。








フレーム右側に切り欠きをケガきます。








ノコビットで切断しました。ささくれたABS樹脂が汚いです…








切断面を棒ヤスリで整えます。




インナーシャーシを組み込み、切り欠き部分をケガきます。切り欠きより上側の部分は左側の切り欠きと同様に、前方をナナメに、そして後方を垂直にケガきます。








インナーシャーシを取り出し、ケガキ線の内側をグラインダーで削り取ります。








フレームに組み込むと、こんな感じになります。








上手く左右対称に加工できました!












次にプランジャーを左右反転します。




WA1911系のプランジャーは実銃と同じ形状ですが、マルイ1911系のプランジャーは取付部分がグリップ上側のスクリュースタッドまで伸びた独自形状です。フレームにプランジャーを乗せ、その上からグリップを乗せてスクリューで固定します。




そのためスクリュースタッドを中心に左右に伸びたプランジャーは、長さが左右対称ではありません。スライドストップ側が8.5mm、サムセフティ側が6mmです。




逆にプランジャーピンはスライドストップ側が短く、サムセフティ側が長くなっていますが、これは実銃と同じです。








ブランジャーの先端がスライドストップ内側の切り欠きの後端に重なるのが、正しいプランジャーの取付位置です。








これを単純にフレーム右側に取り付けると、プランジャーの先端が2.5mm後ろになります。これではプランジャーピンがスライドストップを保持できません。








プランジャーを正しい位置に取り付けるには、スクリュースタッドまで伸びた取付部分を加工する必要があります。




中央の穴を拡大するだけでは2.5mmも横にズラす事はできません。リング部分を1/3ほど切断して、ようやく適正位置に置く事ができました。








取付部分の輪郭をケガきます。








切削ビットで削ります。ガッツリ削り過ぎて穴が開きましたが、後で修正するので気にしません。ブランジャーを装着した時に取付部分がフレームと完全にツライチになるまで、ガンガン削ります。








ここまで削って、ようやくツライチになりました。




写真では既にプランジャーピンを入れ替えて左右反転しています。見慣れない光景なので違和感がありますが、向かって右側がスライドストップ側なので短いピン、左側がサムセフティなので長いピンです。








プランジャーをセロテープで固定します。穴が開いた部分の内側をセロテープでしっかり塞いで、プラリペアを流し込みます。








硬化後にセロテープを剥がし、一回目で埋まらなかった部分にプラリペアを追加します。この時にフレーム刻印も埋めてしまいます。








フレーム左側のネジ穴、スライドストップの切り欠き、ブランジャー取付用の凸部分、サムセフティの穴をすべてプラリペアで埋めます。




今回のカスタムはプラリペアの使用量がハンパなく多いです…








硬化後に棒ヤスリとペーパーで整形します。












グリップの取付穴とスクリュースタッドの外径は非常にタイトな寸法になっています。そのためスクリュースタッドの周囲に余分なプラリペアが硬化していると、グリップが装着できません。




スクリュースタッドの周囲に硬化したプラリペアを切削ビットで削り落とします。気持ち良くサクサク削れますが、削り過ぎるとスクリュースタッドが外れてしまうので要注意です。








最後にグリップを左右反転させます。




基本的に1911系のグリップ形状は左右対称なのですが、左側グリップの上部がブランジャーに干渉しない様に加工されているので、この部分は左右対称ではありません。








この形状はグリップの上方向への長さやグリップの厚さによって異なりますが、この加工がなければ左側グリップを取り付けできないので、どのグリップにも必ず施されている重要な加工です。








ブランジャーを左右反転してフレーム右側に取り付けるとなると、グリップのこの部分も左右反転しなければいけません。




ランドール製1911のグリップは木製チェッカーグリップです。右利きモデルも左利きモデルも同じです。工場出荷時に製作されたグリップなので、右利きモデルにも左利きモデルにも完全対応しています。








しかし現在流通しているカスタムグリップに左利き用は存在しません。そのため既存のグリップを左利き用に加工する必要がありますが、チェッカーグリップはチェッカーの復元が大変そうだし、フェイクパールグリップなど模様の入った樹脂グリップは、そもそも同じ模様を復元すること自体が不可能な気がします…




とりあえず純正グリップを加工します。そうしないと銃の仮組ができません。楽しい(?)グリップ選びは後に取っておきます。




写真の向かって右側が左側グリップで、左側が棒ヤスリで加工した右側グリップです。








加工が終われば、カスタムパーツを組み込みます。




WII TECH製ステンレスプランジャーセットと、Guarder製ステンレスマガジンキャッチです。今回は特殊なカスタムなので金属パーツも塗装仕上げを行う予定ですが、作動させると塗膜が剥がれるレバー類やピン類はステンレス製のカスタムパーツを使用します。








銀色に輝くブランジャーピンが美しい!








Guarder製マガジンキャッチの突起を削ります。突起の形状が純正マガジンキャッチと微妙に異なるので、削り加工は少なめでOKです。この状態でキチンとマガジンを掴んでくれます。




すぐマガジンが抜け落ちるのは相変わらずですが…












スプリングとマガジンキャッチロックは、純正マガジンキャッチから移植します。








トリガーはタニオコバ製ホールレストリガーSVを使用します。












銃を組み立てます。




スライド/フレームが完全に左右反転したので、もうスライドストップとサムセフティをフレーム左側に組み込む事はできません。スライドとグリップセフティをフレームに固定するには、スライドストップとサムセフティをフレーム右側に強引に挿し込むしかありません。




とはいえ、徐々にランドール製左利き1911らしくなってきました!








しかしよく見ると、プランジャーがナナメになっています…








プランジャーを指で押すと、左右にカタカタ動きます。プラリペアを流し込んでキチンと型取りした筈なのに、なぜか時々こういう事が起こります。




不思議です…








これでフレームの加工は完了です!




現時点でスライド/フレームの左右反転が完了しているので、機能はともかく外観はもう左利き1911になっているのも同然です。あとはスライドストップとサムセフティを左右反転させて作動確認を行い、左右反転させたグリップを装着すればすれば完成です!




次回はサムセフティ…の前に、マガジンの左右反転を行います。




お楽しみに!

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