KSC H&K Mk23⑦

ようやく風邪が治りかけてきました。
前回の記事を書いた頃がほぼピークでしたが、今は快方に向かっています。
とはいえ油断は禁物です。



Mk23の最終仕上げを行います。
KSC Mk23の外装で唯一不満なF/Rサイトのドット部分を加工します。

実銃Mk23のF/Rサイトです。
ドット部分に鮮やかな白色の素材が埋め込まれています。
抜群の視認性です。

対するKSC Mk23のF/Rサイトです。
ドット部分に半透明のPP樹脂が埋め込まれています、が…
物凄く暗い色なので全く視認できません。



しかしそこは突出した外装の再現度を誇る古き良きKSC製品です。
意味のない造形は行いません。
この中途半端な半透明のPP樹脂にも意味があります。
素材選びに失敗している印象は否めませんが、ちゃんと意味があるのです…



PP樹脂を細いドリルビットで削り落とします。
ドット部分の丸い穴を削ってしまわない様に慎重に削っていきます。

穴は結構深いです。
奥まで削ってPP樹脂を完全に除去します。

削ります…

ドンドン削ります…

……ズコッ!

なんとPP樹脂が反対側に抜けました!
凹形状の穴かと思いきや、トンネルの様にサイトの前後を貫通していました!



完全に貫通しています。驚きのトンネル構造です。
棒状のPP樹脂が「ズコッ」と抜けた時にはビックリしました!

リアサイトも同じ構造です。棒状のPP樹脂が二本挿入されていました。
清々しい貫通っぷりです。



ふたつのトンネルが綺麗に並んでいます。
なんとも大胆かつ無駄に手間のかかる構造です。

しかしこれでは前方からドットの穴が丸見えです。
実際、リアサイトを前方から見ると綺麗にトンネルが貫通しています。



これはちょっと…と思いながら実銃写真をwebで探してみると、なんと実銃のF/Rサイトも同じトンネル構造になっていました!
リアサイトは前方からもドット部分に挿入された白色の素材が目視できる構造です。

ここまで再現するか! KSC!

まさにKSCの本領発揮! と言わんばかりの驚異の再現度ですが…真っ白な樹脂を使用しないとコレは再現できないのでは?
事実、PP樹脂を除去するまでは全く気付きませんでした。



思うにKSCは敢えて半透明のPP樹脂を使用する事で、ドット部分が外光で薄く光る仕様を試みたのでは!?
それ以外に半透明のPP樹脂を用いる理由が見当たりません。

しかし悲しいかな、素材選びに失敗していると言わざるを得ません。
いくら半透明のPP樹脂でも、この長さでは外光は透けません…



外装がほぼパーフェクトなMk23ですが、このF/Rサイトのドット部分だけは思惑通りに行かなかった様です。
普通に真っ白な樹脂を挿入した方が良かったと思います。

という訳で真っ白な樹脂を挿入します。



100円ショップで購入したミニサイズのカゴです。
裏側の磁石で色々な場所に設置できます。
素材はPP樹脂です。

このカゴの細く丸い棒状の部分を切って使用します、が…
棒状の部分がF/Rサイトのトンネル部分より太いので、更に細かく切ります。



そしてトンネル部分に差し込んで、ライターで炙って柔らかくします。
柔らかくなったら素早くグッ!と押し込みますが、この段階ではサイト正面から見える部分はグニャグニャで汚い状態です。

反対側から少しだけドット部分を押し出します。
そしてグニャグニャ部分をカッターで切り落として整形します。



ドット部分の視認性が格段に向上しました!
これでようやく「ドット」と呼べる状態になりました。



リアサイトのドット部分の整形が少し粗くなりました。
とはいえジックリ見ないと分からない程度の荒れ具合です。
視認性に影響はありませんので、これで良しとします。



リアサイトを前方から見るとこんな感じです。
実銃はもう少し前方まで白色の素材が出ていますが、形状が複雑でPP樹脂の断面を綺麗に整形するのが非常に難しいです。
とりあえず整形の粗さが目立たない状態に留めました。

サイトピクチャーはこんな感じです。



F/Rサイトのドット部分はこれで完成です。

いよいよ最後の加工を行います。
民間仕様(MARK23)のF/Rサイト側面に施された識別用の凹加工を再現します。




映画『アイアムレジェンド』でウィル・スミスが使用するのは民間仕様(MARK23)ですが、私のMk23は米軍正式採用モデル(Mk23 mod 0)ですので、F/Rサイトの凹加工がありません。
民間仕様を再現するには、F/Rサイトに凹加工を施す必要があります。



しかし…

「スライドの刻印が "USSOCOM" なのにF/Rサイトを民間仕様にしてしまうと、銃全体の辻褄が合わなくなるのでは!?」

こう思われる方も多いと思います。
実は私もそう思います。

そう思ってMk23の刻印をwebで徹底的に調べましたが、いくら調べても米軍正式採用モデル(Mk23 mod 0)の刻印が解明できません。



詳細は不明ですが、フェイズ2プロトを使用中の写真です。
銃は右向きです。
コチラです



コチラも詳細は不明ですが、シールズまたは海軍特殊舟艇チーム(Special Boat Team)の写真らしいです。
ここでも銃は右向きです。
コチラです。
つまり「コレはホンモノの米軍正式採用モデル(Mk23 mod 0)だろう」と思われるMk23の写真には、スライド左側の刻印が写っていないのです。

Mk23はトライアルの公平性や透明性を示す必要性と、H&Kの販売戦略に関する政治的配慮から、詳細なスペックに加えてフェイズ1、フェイズ2、フェイズ3(正式採用モデル)全モデルの写真も公開されました。

しかしこの事と「実際の使用状況」を公にするかどうかは全く別問題です。
特殊部隊の使用する銃器はトップレベルの機密事項ですので、実際の使用状況に関する情報が公開されないのは当然です。
この「公開されない情報」には当然「刻印」も含まれます。





この二枚の写真はイチローナガタ氏が撮影して "American Handgunner" 誌に掲載されたモノです。
コチラです。

一枚目の "USSOCOM" 刻印のMk23ですが、F/Rサイトは凹加工が施された民間仕様のモノが組み込まれています。
二枚目の民間仕様(MARK23) 刻印のF/Rサイトは、写真を拡大すると判りますが、凹加工が施された正しく民間仕様のサイトです。

これは私の想像ですが…

・ "USSOCOM" 刻印のMk23は各種メディア向けの「広報用」
・ 特殊部隊が実際に使用しているMk23は民間市場モデルと同じ刻印または無刻印
  F/Rサイトの凹加工は "そのための" 識別用

要は「特殊部隊が戦場で "USSOCOM" なんて身元がバレバレな刻印の入った銃器を使う筈がない」という、当たり前過ぎる推測です。これなら各種メディアで見られるMk23のF/Rサイトがすべて凹加工の施された民間仕様なのも納得できます。

いかがでしょうか…?

という訳で、F/Rサイトの凹加工を行います。

KSCの取説によるとF/Rサイトの凹加工は左側だけに施されている様ですが、今回は両側に凹加工を施しました。
何が正解か分からない謎の多い銃なので、両側に凹加工があっても構わないかと…



こんなビットでサイトの側面に丸く浅い凹加工を施します。
サイトは小さくて持ち難いので、スライドに組み込んだまま加工します。

彫り終わるとこんな感じです。
綺麗な丸が彫れました。



リアサイトです。
こちらも上手く彫れました。



黒染めして仕上げます。

いつものインディのドブ漬け用ブルー液を、いつもの様にペットボトルのフタに入れて、いつもの様に組み込んだままドブ漬けします。
相変わらず横着の極みな染め方ですが、結果良ければすべて良しです。



染まりました!
横着でも脱脂などの基本をしっかり行えば綺麗に染まります。
ま、オススメはしませんが…



リアサイトもこの通り! 綺麗に染まりました!
細かい加工ですが、見た目の印象はかなり変わります。
コチラの方が断然カッコイイと思います!



これでMk23の加工はすべて終了しました!

ここで試し撃ちをすると、また20発目で生ガスを吹く状態に戻っていました。
ブリーチ/シリンダーを固定しているリアサイトにリューターで振動を与えたのが原因でしょうか?

リアサイト固定ネジを微妙に締めたり緩めたりしても症状は変わりません。
試しにトラムセットのシートをもう一枚入れて0.6mmのかさ上げにしてみましたが、スライド後退時の抵抗が増すだけで、やはり20発目で生ガスを吹きます。
抵抗が大き過ぎるので0.3mmのかさ上げに戻しました。

ま、しばらく様子を見てみます…



今日も晴天の暖かい日ですので、屋外で撮影しました。
屋外といってもただ玄関先に出ただけですが。

今日の日中は四月上旬の暖かさです。
日差しが暑い位です。



F/Rサイトの凹加工がバッチリ決まってます!
イッキに民間仕様らしくなりました!
タンカラーの色合いもなかなか綺麗です。
実銃に拘り過ぎるとどこまで行っても満足できません。これでOKです!



スライドのブラックパーカーがとても美しい色合いになりました!
しかしデザートイーグルの黒々した色合いとは全く異なります。
同じ塗料なのにこれだけ仕上がりが違うとは…

塗装の世界は奥が深いです。



シャープなエッジにシャープな刻印。
素晴らしい造形美です。
古き良きKSC製品の素晴らしさをヒシヒシと感じます。
ま、"USSOCOM" はエアガンオリジナルの刻印と受け取ればOKです。



強い日差しを受けてスライド前方が輝いています。
その影響で全体的にコントラストの強い写真になりました。
自然光での撮影は本当に面白いです。



ホールドオープンです。
銃の大きさを改めて実感します。
とはいえデザートイーグより格段に扱いやすいのは、やはりH&Kの銃です。
完成度の高さが違います。
米国特殊作戦軍(USSOCOM)が認めた完成度です。



グレージングパテⅡという荒業を使ってまで緑色のOリングを再現した甲斐がありました!
やはりバレルの先端にOリングがあるのとないのとでは雲泥の差があります。
乾燥後も擦れる部分に緑色の粉が溜まって大変ですが、現代のH&K製拳銃のアイコンなのでココは譲れません。
やって良かったです!



しかしスライドとアウターバレルは同じブラックパーカー+イサム二液ウレタンつや消しクリアーなのですが、ここまで色合いが異なるとは…
下地の色が透けて見えているのでしょうか?
それ以外にここまで色合いが違って見える理由が見当たりません。

塗装の世界は本当に奥が深いです…



最後はサプレッサーと一緒にガンケースに入れてみました。
二丁用のガンケースに一丁しか入らないのもデザートイーグルと同じです。

KSC Mk23は今回で終了です!




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