KSC CZ75改ジェリコ941F⑪


塗装を開始します。




今回のジェリコFは「ダビデの星」刻印が施されたイスラエル軍制式採用モデルを再現しています。実際に軍隊で使用された銃なので、程良いダメージ具合が威圧的なオーラを放つ、貫録のある外観を呈しています。












第三世代ジェリコまではブルーイング仕上げです。第四世代から表面仕上げが特殊コーティングになりますが、イスラエル軍用モデルは第四世代以降もブルーイングが継続されます。




米国市場モデルの第四世代ジェリコFです。このモデルからアンダーレールが標準装備されて現代スペックになりました。表面仕上げは黒色の特殊コーティングです。








イスラエル軍用モデルの第四世代ジェリコFです。同じ第四世代ジェリコFながらトリガーガードやセフティの形状が微妙に異なる独自形状…というよりも「第四世代ジェリコのアンダーレール非装着モデル」な趣のモデルです。表面仕上げはブルーイングです。








何となく「イスラエル軍がブルーイング仕上げに拘るので、IWI社がイスラエル軍用モデルだけ特別にブルーイング仕上げで納入している」感じです。アンダーレールなしの独自設計も、イスラエル軍の要求スペックを満たすためにコスト度外視で少量生産した雰囲気が漂います。




民間モデルのPVに登場するのはすべて特殊コーティングの第四世代ジェリコです。これを観ても「イスラエル軍用モデルだけがブルーイングの特別仕様」なのが想像できます。








余談ですが、”イスラエル陸軍スペシャルフォース大佐” というヒトが「イスラエル軍方式のグリップフォーム」などを紹介する動画があります。この手の動画はTTI等の米国式がほとんどなので新鮮で面白いです。コメント欄を読むとメチャクチャ古い方式らしいので(第二次大戦中のレンジャー部隊がやってたとか)、実用的かどうかは疑問ですが…
















特に肘を突き上げてスライドを引く動作が大袈裟で面白い! 『マトリックス』と『ジョン・ウィック』を足し合わせた様な動作が仰々しくてカッコイイです!








ハナシが脱線しましたが…




今回は「ブルーイング仕上げの銃が使い込まれてダメージを受けた感じ」を塗装で再現したいと思います!







まずスライド/フレームにミッチャクロンを吹き、イサム塗料のウレタンメタリックシルバーで塗装します。作動がアレなのでレール部分は塗装したくないのですが、マスキングが難しい形状なので、無理にマスキングはしませんでした。












完全乾燥した状態です。




拭きっぱなしなのでザラザラです。ウレタン塗料は粒子が大きいので特にザラザラが目立ちます。今まではこのザラザラ状態で満足していましたが…












前回、US&S製1911をブルーイングする前段階で、ローバルRの塗膜をピカールと600番のペーパーで磨いてツルツルにしました。あの “ツルツル感” を知ってしまうと、もう吹きっぱなしのザラザラ状態には満足できません…








そこで今回は3Mの研磨スポンジを用意しました!




ミディアムからウルトラファインまで単品で揃えるのはメンドクサイので、amazonで販売されていたセット商品を購入しました。ミディアム、ファイン、マイクロファイン、スーパーファイン、ウルトラファインの5種類が1枚ずつ同胞されたお得なセットです!








スーパーファインで塗膜を研磨します。ヘアラインを入れる様に一定方向にスポンジで擦ると、あっという間にザラザラがなくなって美しい塗膜に変身します! コレは凄い!




削り過ぎるとABSの地肌が出てしまうので要注意です。




















ピン穴の塗膜を削ります。この作業を怠るとピンを挿し込んだ瞬間に塗膜が「バリッ!」と剥がれてしまうので、すべてのピン穴とパーツ取付部分の塗膜を削っておきます。












スライド上面の反射防止リブ内に細かい凸凹が残っているので、模型用の精密ナイフで凸凹を削って綺麗に整えます。
















研磨その他が終わるとこんな感じになります。




まだダメージ塗装の下地塗りの段階ですが、今までの吹きっぱなし仕上げとは比較にならない美しさです! ひと手間加えるだけで、ここまで美しい仕上がりになるとは…




塗装は奥が深いです。












今回は「黒っぽいブルーイング仕上げ」を再現するために、鉄色倶楽部 黒組を使用します。今まで青組は何回も使用していますが、黒組を使うのは実は今回が初めてです。




「黒々としたジェリコの質感を再現するには黒組しかない!」とショップを探すと…なかなか売っているお店が見つかりません。青組もそうですが、GスミスSの塗料は意外と売っているお店が少ないです…








スライド/フレームとレバー類を黒組で塗装します。レバー類は下地塗りなしでいきなり黒組を塗りますが、今回はレバー類のダメージ加工は行わないのでOKです。
















完全硬化した状態です。




黒々とした深みのある色合いが美しい! 青組ともクレオスの黒鉄色とも異なる、青色成分や茶色成分が全く含まれていない純粋な黒色メタリックです!












研磨を考慮して厚めに塗装しましたが、概ね綺麗に塗装できています。刻印が消えているとかエッジがタレているとか、そういう不具合は見られません。
















レバー類も綺麗に塗れました!




今回は「折角の完全ワンオフ製作のレバー類にダメージ加工するのは惜しい」のと、今までの経験から「目立つレバー類にダメージ加工を施すと銃全体が必要以上にボロボロに見える」のとで、このふたつのレバーにダメージ加工は施さない事にしました。








しかし…




スライド左側面が白っぽくくすんでいます。なぜココだけが白くなるのか理由は解りませんが、この一個所だけが白くなっていてツヤもありません。








タレには細心の注意を払っていましたが、フレーム左側の一個所だけがタレてしまいました。薄く塗れば絶対に起きないミスですが、厚く塗ろうとすると大抵どこかタラしてしまいます。




塗装のテクニックはまだまだ初心者レベルです…








今までの塗りっぱなし仕上げだと発狂しそうな状態ですが、今回は研磨します! ミスした部分も研磨すれば修正できます!




まずピン穴やパーツ取付部分の塗膜をキチンと削っておいて…












ウレタンシルバーを研磨したスーパーファインを使い回して研磨します。今回購入したセット商品は1種類1枚なので、同じ番手のスポンジで研磨しようとすると使い回すしか方法がありません。




研磨するとツヤがなくなって落ち着いた金属光沢を放つのは青組も黒組も同じです。何ともいえないシブい色合いになりました!




表面を一定方向に研磨しつつ、エッジを落として下地のシルバーを出します。




















この段階でF/Rサイトを装着します。サイトを差し込む際に塗膜が「バリッ!」と剥がれないかドキドキしましたが、無事に装着できました。




どちらもダメージ加工は施していませんが、特に違和感はありません。












研磨した黒組は微細なヘアラインも相まって素晴らしい金属光沢を放っています! パッと見には金属と見紛う輝きです!




白いくすみやタレも完全に修正できました!




























しかし研磨前に存在していた「色の深み」がなくなったおかげで、ダメージ加工を施していないスライドストップとセフティが浮いて見えます。両者を研磨して質感を合せれば簡単に済む問題ですが、できればこのふたつはこのままで完成としたいトコロです。




これはもう「色」を取るか「質感」を取るか、どちらかひとつしかできないのでどうしようもないのですが…












研磨した黒組の金属的な質感も維持しつつ、黒色メタリックの深い色合いも捨て難い…




そんな欲張りな悩みを解決する方法がありました! クリアーです! 光沢クリアーを塗れば色の深みが復活します! 実は今までのカスタムではつや消しクリアーしか使った事がなかったので、同じような仕上がりに少々飽きていたトコロでした!




という訳でウレタンクリアーを塗装します。この段階でF/Rサイトを装着したのは、実は仕上げ塗りのクリアーを考慮したためです。さすがにクリアーの塗膜で厚くなったアリ溝にFサイトを差し込むのは厳しいので、事前にF/Rサイトを装着しておいて、そのままクリアーを塗ってしまう作戦にしました。












完全乾燥した状態です。




予想通り「色の深み」は復活しましたが、何となくコレジャナイ感が漂います。つや消しクリアーの自然な感じとは真逆の「何か塗ってる感」がハンパありません。しかも下地のシルバーが際立ち過ぎてイヤラシイというかワザとらしいというか…




















そこでクリアーの塗膜を研磨します。




ここまで使用してきたスーパーファインはもう真っ黒です。水洗いしてもキレイにならないので、研磨スポンジは「消耗品」と割り切って使用するモノなのでしょう。








ここからの研磨はウルトラファインで行います。クリアーの光沢面を削り過ぎない様に注意しながら、慎重に研磨していきます。
















塗装面をサッと撫でる様に磨くと、光沢のある塗膜がまだらに残ります。意図的に「磨きムラ」を残しながら、塗装した部分をすべて研磨します。




「半つやクリアーで塗装すれば、手間のかかる研磨作業をしなくても良いのでは?」




半つやクリアーだと塗装面は均一で単調ですが、この方法だとまだらに光沢が残るので表面が単調にならず、それなりに荒れた金属の風合いを再現できます。メンドクサイのでオススメはしませんが…




















研磨が終るとこんな感じです。




程良い半つや状態になりました。効率は悪いですが、光沢の残し具合を自分で調節できるのがこの方法の良い点です。何より研磨作業が楽しい!




























研磨スポンジはクリアーで真っ白です。コチラも洗っても落ちません。同系色の塗膜を研磨する以外には再利用できなさそうなので、少し勿体ない気がします…








これで塗装と研磨は完了です!







いよいよ組み立てを残すだけになりました! 長かったジェリコカスタムも一応の区切りを迎えると思うと(作動調整はアレですが)、感慨深いモノがあります。




スライド/フレームのレール部分に三層に塗り重ねられた塗膜を削り落とします。ここまでの塗装で嵌合がちょっとあり得ないくらいキツキツになっているので、棒ヤスリとペーパーで塗膜をガッツリ削り落とします。




フレーム側のレール部分です。内側に塗料が入らない様にティッシュを詰めて塗装しましたが、レール部分は一番上側なので塗料の付着は避けられません。ABSの地肌が見えるまで塗膜を削り落とします。












スライド側のレール部分はマスキングを一切行わなかったので、端から端まで綺麗に塗装されています。コチラもフレーム側と同様に、ABSの地肌が見えるまで塗膜を削り落とします。
















スライド下面の塗膜も忘れずに削り落としておきます。








削り終えたスライドとフレームを組み合わせて動きを確認します。




これだけガッツリ削れば問題ありません! ガスブローバックでの作動不良が不思議なくらい滑らかにスライドが前後します!












フレーム左側のセフティピン頭とセフティクリックが入る凹部分の塗膜を削り落とします。三層の塗膜のうち二層は硬いウレタン塗料なので、ウソ偽り誇張なくリューター必須の作業です。塗膜を削ると「パキパキッ!」と硬そうな音がします。








セフティを「KSC方式」で組み込みます。




まずセフティ軸の根元の穴にセフティクリックスプリングを組み込みます。








スプリングの前にセフティクリックを置きます。








セフティクリックをセフティ軸の方向に押し込み、セフティ軸とピン頭の間の定位置に置きます。そして下側(セフティ表側)から細い棒を挿し込んでセフティクリックを固定します。








この状態のままセフティ軸をフレームに挿し込み、そのままセフティ本体をフレームに押し付けて組み込みます。セフティが正しく組み込まれると、細い棒を抜いてもセフティクリックが飛んで行ったりセフティが浮き上ったりする事はありません。








最後にセフティのドットに赤色を入れます。








これで完成です!












完成したのは良いものの、室内での撮影なので薄暗くて綺麗な写真ではありません。




そこで毎回好例の「屋外での撮影」を行いました! とはいえ今回はロケではなく、自宅の玄関前での撮影です。




私がロケが好きな理由は色々ありますが、そのひとつに「草の上に銃を置いて撮影すると銃がキズつかない」というのがあります。実はアスファルトの上で撮影するのが銃には一番厳しい状況で、置いた状態で少しでも銃を動かすとあっという間にキズが付いてしまいます。








ABS剥き出しの無塗装モデルでも塗装カスタム銃でも、アスファルトや岸壁のコンクリートは最凶の敵です。




草の上だと置いた状態で動かしてもキズは付きません。大事な銃を撮影するのは草の上に限ります! なので可能な限りロケを行って安心安全な草の上で撮影を行う様にしています(ロケでコンクリート上に銃を置く事もありますが)。








しかしいくら写真を撮るのが好きでも、今回の記事の写真枚数89枚はいくらなんでも多過ぎです。「銃を塗装しました」というシンプルな内容と、写真の枚数がかけ離れています。




という訳で、完成写真は次回ご紹介します!




お楽しみに!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です