KSC CZ75改ジェリコ941F⑩


7月にマッドさんにスライド/フレームその他を送りましたが…8月になっても音沙汰がないので連絡すると「レバー類のワンオフ加工にもう少し時間が必要」との事。




マッドさんは店長一人がすべてのカスタムを行う小さなショップなので、一度に複数の仕事が重なると納期が長くなるのは仕方ありません。ただ遅れるなら「少し遅れます」とか連絡して頂ければ有り難いのですが…








9月にようやく完成品が送られてきました。いくらなんでも二ヵ月はちょっとお待たせが長過ぎです。『お座敷ガンGUN』の塔四朗さんも同じ様なコトを仰っているので、連絡なく納期が遅れるのは今に始まった事ではなさそうですが…つまらない事でお店の評判を悪くするのは勿体ないと思います。







コチラが加工の終わったフル刻印スライド/フレームと完全ワンオフ製作の第三世代ジェリコFスライドストップ&サムセフティです!




バッチリです! 二ヵ月待った甲斐がありました! マッドさんはモノは良いのです。加工のテクニックは素晴らしいのです。ただ納期が遅いというかルーズというかザックリしているというか、もう少しそういうトコロに気を配れば良いのですが…












フレーム左側の刻印です。




素人が切った貼ったの大加工でイジり倒したフレームへの刻印加工はやはり無理があったのか、微妙に刻印が傾いています。それでも狭い平面部分に均一な深さで刻印を彫り上げる技術はさすがです!








フレーム右側の刻印です。




加工途中で消えてしまったKBI社の刻印を彫り直して頂きました。








シリアルナンバーはスライド/フレーム共に同じ番号です。実銃はチャンバーにも同じ番号が刻印されているのですが、CZアウターバレルのレーザー刻印を削り落としてシリアルナンバーを再刻印するのは大変なので止めました。




そして「ダビデの星」刻印です! これはジェリコだけでなく、イスラエル軍に正式採用された初期型ガリルにも様式を変えて刻印されています。しかもこれらの刻印は輸出仕様や米国生産品には一切ありません! まさにイスラエル軍用銃を象徴する刻印です!








イスラエル国防軍のトレードマークが刻印されたガリルARのレシーバーです。これはダビデの星に旧約聖書の『サムエル記』に登場する古代イスラエルの「ダビデ王」の「ゴリアテの剣」と中東地域に自生する「ハーブの木」を組み合わせたモノです。












ちなみにダビデ王はトランプのスペードのキングの王様のモデルであり、我々日本人にも馴染み深い存在です。ただダビデ王とダビデの星は関係がなく、ダビデの星=六芒星が歴史の舞台に登場するのは17世紀の三十年戦争以降というのが通説ではありますが…








本当はジェリコにもこのトレードマークをそのまま彫るのが正解なのでしょうが、図柄が大きく複雑なので、そのままのカタチでは刻印できなかった様です。1911の様に広い平面部分が取れないジェリコは、六芒星そのままのダビデの星を刻印するのが精一杯という感じです。








フレーム後端の “CDI SCYVL KY” はナニを意味するのか判りませんが、実銃通りに彫って頂きました。”WARNING…” の警告文が1ポイント小さい文字なのも実銃通りです。








そして!




完全ワンオフ製作のスライドストップとサムセフティです! どちらも第三世代ジェリコFの形状が正確に再現されています。日本では実物を見る事ができないのに、なぜこんなモノが造れるのか…
















指掛け部分がハドソン純正の第一世代ジェリコRより大幅に拡大されているので操作性はバツグンです! さすがは建国以来ずっと戦争状態のイスラエル軍制式拳銃! 機能に直結する部分は妥協なく進化しています!




マッドさんはCZのレバーを薄く削り、そこにアルミ材で製作したレバーをビスとデブコンで接合して、仕上げにデブコンを盛って削って磨いて塗装して、このジェリコFのレバーを製作されたそうです。




プロの技は凄いです…




















レバー上面の仕上げが少々荒いのですが、全体の完成度を考えれば些細な事です。後からいくらでも仕上げ直しができるので全く問題ありません。












それよりもサムセフティの “ある部分” が気になっていましたが…既存の「ピン穴」を埋めてしまわずにキチンと残して頂いていました! 素晴らしい!








この「ピン穴」はなにかと言えば…




KSC CZ75はサムセフティ組込時にセフティクリックが飛んで行かない様に細い棒で固定する必要があるため、サムセフティに細い穴が開いています。








この構造は実銃CZ75も同じだと思っていましたが…改めて調べると、実銃CZ75のセフティデティントピン(KSCのセフティクリックと同形状のパーツ)はシャーシの内側に組み込まれていて、サムセフティ組込時には精密ドライバー等でこのピンを押し込むのが正しい組込方法の様です。




コチラです
















コチラも判り易いです。








上記のCZがオリジナルCZ75ではなく、CZ75BやSP-01なのが原因かも知れませんが…少なくとも今回調べた限りでは、実銃CZ75はサムセフティ本体にセフティクリックとスプリングを組み込んで細い棒で固定し、その状態でサムセフティをフレームに組み込む「KSC形式」ではありませんでした。




今回マッドさんが埋めずに開けておいてくれたピン穴は、セフティクリックを押さえておくための細い穴ではありません。




次の写真をご覧下さい。左側がCZ純正サムセフティで右側がマッドさん製作のジェリコFサムセフティです。








赤い丸で囲った円筒形の突起は実はピン形状の別パーツで、サムセフティをフレームに組み込むと、このピンがセフティクリックの先端部分を押さえ込みます。フレームにはピン頭とセフティクリックが収まる凹部分が設けられており、ピンが上⇔下するとセフティクリックピンが下⇔上に移動して、スプリングのチカラでクリックが効く構造になっています。








恐らく加工の際にジャマなので外しておいて、完成した後にリューターで穴を貫通させてピン穴の機能を復活させたのだと思います。




という訳で、CZ純正サムセフティからピンを取り出します。ユーザーがこのピンを取り外す事は想定されていないのか、このピンは取説に記載されていません。




ラジオペンチで掴んで引き抜きます。












取り外したピンをマッドさん製作のジェリコFサムセフティに装着しますが…硬くて完全に挿し込めず、ピン頭がコンマ数ミリ浮いてしまいます。リューターで奥の方を広げようとすると、奥の硬いアルミ材?は削れずに手前ばかりが削れて、ピンの挿入が緩くなってきました。




ピンが抜けると困るので『セメダイン メタルロック』をピン穴に流し込んで接着し、コンマ数ミリ高いピン頭を削って高さ調整しました。この金属用接着剤はデザートイーグルカッタウェイのマガジンフォロワー製作時に使用しましたが、安価な価格にも関わらずガッチリ強力に接着できるのでオススメです!








セフティクリックを固定する細い穴を貫通させます。デブコンはリューターで簡単に穴が開きます。やはり上記のピン穴は硬いアルミ材に開けられていた様です。












それではフレームに組み込み…の前に、フレームを小加工します。




フレームにはマッドさんが第三世代ジェリコFサムセフティ用のドット穴を開けて頂いていますが…CZサムセフティ用のドット穴を埋め忘れています。いつもはキチッと完璧な加工をして頂けるマッドさんですが、今回は忙しかったのか急いで加工を行ったのか、仕上げが荒かったり加工し忘れていたりする箇所が多いです。








CZサムセフティ用のドット穴をプラリペアで埋めて整形します。








それでは改めて…




ジェリコを組み立てました! 今までの仮組み工程では省略していたF/Rサイトもすべて組み込んで、完全な形状に組み上げました!




カッコイイ! 抜群のカッコ良さです!




第三世代レバー類とのマッチングを考えてジェリコトリガーを組み込んでみました。見た目は良いのですが、トリガーを引くと「ギリギリ」とおかしな音がします。またトリガーバーとアクセルが欠けてしまわない内に元に戻しました。












刻印部分をもう一度ぐるりと見てみます。




やはりスライド/フレーム単体で見るより、パーツを組み込んだ状態の方が引き締まって見えます! 刻印もバッチリ決まってます!
























あとはグリップを取り付けるだけ…と、ここで問題発生!




なんと大日本技研レプリカグリップを取り付けた状態では、CZマガジンのリップ部分が干渉してマガジンキャッチがかかる高さまでマガジンを挿入できません!




おぉぉ…












よく見ると、元々グリップ前方下部が下方に突出する形状に成形されています。恐らくジェリコマガジンを挿入すればリップ部分が綺麗に隠れる形状なのでしょうが…CZマガジンはリップ部分が前方に大きく突き出しているので干渉してしまいます。








干渉しているグリップ前方下部を削ります。








削り終えた状態です。元々突出していた部分を平らに削っただけなので、見た目が不自然になる事もありません。むしろグリップ下面がフラットになって自然な見た目になりました。








これでマガジンキャッチがかかる位置までグリップを挿入できます。












すべての加工が完了しました! 厳密に言えばまだ作動調整が終わっていませんが、それはちょっと疲れたので…とりあえず本体加工はこれで完了とします。




あとは塗装です! 今回のカスタムもいよいよ塗装を残すのみとなりました! ここまで苦労して仕上げたカスタムなので、塗装で失敗せずにバシッ!と綺麗に仕上げます!




次回をお楽しみに!

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