KSCマカロフPM⑨

香川県は今日も最高気温35度の猛暑日です。
真っ青な空に輝く太陽、そして紺碧の海。
とても8月最後の週とは思えません。真夏どころか常夏状態です。
ハワイに住むとこんな感じなのでしょうか?



すべては台風20号が秋の空気を蹴散らして夏の空気を引っ張り込んだのが原因です。
しかも四国を直撃しやがったので、またもや徹夜勤務になりました。
おかげで全然疲れがとれません。夏にこんなに疲れが抜けないのは初めてです。
私は今まで「夏バテ」をした経験がなかったのですが、さすがに今夏は堪えました。
歳は取りたくないモノです。



マカロフのカスタムも今月前半は快調に進んでいましたが、完成直前にまさかの作動不良が発生して停滞しています。

とにかくスライドの動きが固いです。
マガジンを入れずにスライドを引いて手を放しても完全閉鎖せず、中途半端な位置で止まってしまいます。



カスタム前は正常に閉鎖していました。なので必ず原因は存在する筈です。
アウターバレルの加工以外には塗装しか行っていませんが…
スライド動作を妨げる要因は次の二点です。

 ・ ブリーチとハンマーの接触抵抗が強過ぎる
 ・ スライドとスライドストップが干渉している

まずはブリーチとハンマーを見てみます。
スライドを放すと写真の位置で止まります。この状態でスライド後部を押すと「シャコン」と閉鎖します。
接触抵抗が強過ぎるのは間違いありません。



スライドを完全分解してブリーチを取り出します。
ブリーチ底面を研磨して抵抗を減らす作戦です。



鉄工ヤスリでガッツリ削りました。
前方の四角い部分を削り落としてツライチにしようと思いましたが…既にブリーチ底面の厚さは0.9mmしかありません。これ以上削ると強度不足が懸念されます。
研磨はこれで良しとします。

ブリーチをスライドに組み込みます、が…
セフティレバースクリューが途中までしかネジ込めません。
研磨の際に切粉が入り込んだのか、どうやっても途中までしか入りません。
仕方なくスクリューの先端部分をニッパーで切断しました。



全長は切断前の2/3です。
コレでブリーチ底面とツライチ、かつセフティレバーを固定できる深さまでネジ込む事ができました。

しかし細かい切子が噛み込むのか、ネジ込みが一段と固くなりました。
0.7mmの六角レンチをペンチで掴んでグリグリやっていると…六画レンチがボロボロになりました。
よく折れなかったと感心しますが、こうなっては買い替え必至です。
1mm以下の極細レンチは消耗品ですね。



amazonで7本セット636円のお手頃価格で購入できます。
コチラです

組み込むとこんな感じになります。
どれだけ効果があるのかは判りませんが…



ハンマーも削りました、が…
コチラは焼結金属なので物凄く固いです。
とりあえずブリーチと接触する部分を軽く研磨しました。



ブリーチとハンマーの研磨はここまでです。
この状態で様子を見る事にします。

次にスライドとスライドストップを見てみると…
明らかに塗膜が原因で抵抗が増加しています。



ご覧の通り、スライドとスライドストップの隙間はゼロです。
これではスライドの動きが渋くなるのも当然です。

KSCマカロフPMはスライド後部にしかレールが設けられていません。スライド前方はただフレームに被さるだけの構造です。
しかしスライドストップと干渉しているのはスライド前方です。

スライド内側全体をガッツリ削りました。

前方部分はこんな感じです。
複雑な凸凹形状に成型されていますが、塗料が乗っていた部分はすべて削り落として地肌のHW樹脂を露出させました。そしてHW樹脂もかなり削り込みました。
純正より抵抗は減っている筈です。




後方のレール部分も塗膜を削り落としてHW樹脂の地肌を出しました。
コチラもHW樹脂を削り込んで純正より抵抗を減らしています。





フレーム側のレール部分も研磨しました。
KSCマカロフPMの亜鉛合金部品は全般にスが多いです。バレルベース同様にリアハウジングもガッツリ削らないとスが消えませんでした。
亜鉛合金部品に関しては、あまり品質が良いとは言えません。



スライドをフレームに組み込みます。
そしてスライドの動きをチェックします。

スライド動作の固さはなくなりました。
決して「滑らか」とは言えませんが、スライド動作が格段に軽くなりました。
マガジンを入れずにスライドを引いて手を放すと「シャコン!」と閉鎖します。加工前の「中途半端な位置で止まってしまう不具合」は無事に解消されました!
ま、これだけガッツリ削れば当然なのですが…

だがしかし!
マガジンにガスを入れてトリガーを引くと一発で生ガスをブチ撒けてしまいます…



KSCマカロフPMの各部品の寸法公差の少なさと嵌合のキツさは何とかならないのでしょうか? コレはもはや「渋い」を超えて「不具合」レベルの作動の悪さだと思うのですが…

ちょっと疲れてきたので、気分を変えて別の作業を行います。
組み立てと作動調整で剥がれた青組のタッチアップです。



缶スプレーの青組を筆塗りでタッチアップします。
「分解したくない」のが一番の理由ですが、それだけではありません。
筆塗りならではのムラを表面仕上げに利用してみました。





水砥ぎペーパーのスリキズだけでヤレた金属の風合いを表現するのは限界があります。そこで筆塗りのムラを生かして表面仕上げに微妙なニュアンスを与えてみようという作戦です。





ペーパーのスリキズはあくまでも「模様」に過ぎませんが、そこに色の濃淡とムラが加われば、ブルーイングが荒れ気味の金属感が表現できそうな気がします。
要するに「単調なスプレー塗りの表面に変化を加える」という事です。





こんな汚い実銃はないと思いますが、ペーパーでは表現できない金属表面の荒れやシミを表現したつもりです。
マカロフの実銃写真は綺麗な個体がほとんどですが…





場所によってはスリキズを増やしたりもしています。
今回のカスタムはあくまでも「ボロボロ仕上げ」が目的なので、ワザとらしくならない様にサジ加減に気を遣いながら表面仕上げを行いました。

上記のタッチアップと表面仕上げには、青組の完全硬化時間48時間+加工時間を費やしています。
その間に注文しておいた品が届きました…



プロテック製強化リコイルスプリング『RSP/Q』です。
コチラです

不具合こそなくなったものの、スライド閉鎖時のモッサリ感は消えません。純正も勢い良く「ジャキン!」と閉鎖する訳ではありませんが、現状のモッサリ感は明らかに純正以下です。
研磨調整で純正レベルに戻らないのなら、カスタムパーツでスライド動作をシャキッとさせるしかありません。

このスプリングもチャンバー側が細く絞られているので、そのままでは組み込めません。ペンチで広げる必要があります。



全長は純正スプリングの1.5倍くらいあります。
プロテック製スプリングはどれも純正よりかなり長い傾向が見られます。
不等ピッチスプリングという構造上、長くなるのは避けられないのでしょう。



組み込むと今までのモッサリ感が一瞬で消えました!
スライドが「ジャキン!」と素早く確実に力強く閉鎖します!
かなり強力なスプリングなので当たり前なのですが…

このRSP/Qスプリングを組み込んで作動させてみました。
マガジンにBB弾は装填していません。
上手くいけば「ガツン!」とブローバックしてホールドオープンしますが…


残念な結果になりました…

この暑さでホールドオープンしないのは、いくらなんでもスプリングが硬過ぎです。
最初にフルオート状態になるのはガス圧が強過ぎるからだと思います。実際、二回目からはガス圧が下がってフルオート状態にはなりません。しかしホールドオープンもしません。
RSP/Qスプリング、ちょっと強過ぎです。

そこでスプリングを純正に戻してシリコンオイルをこれでもかと吹いて、100回くらいシャカシャカ動かして馴染ませました。
そしてマガジンにガスを入れてトリガーを引いてみます…

ブシュウ! ブシュウ! ブシュウ! ポスッ…

一応ブローバックしてホールドオープンしますが、一回のブローバックで大量にガスを吹き出しています。
明らかにガスの放出量が多過ぎます。



ようやく作動不良の原因が見えてきました。

 ・ ハンマースプリングが強過ぎる
 ・ またはガスカットのタイミングが遅すぎる

これ以外には考えられません。
とはいえインパクトハンマーロックが通過する部分は研磨していません。研磨したのはハンマーとブリーチが接触する部分だけです。



ガスの吹き過ぎはリコイルスプリングの強弱に関わらず発生します。
やはりハンマースプリングが強過ぎるのが原因なのでしょう。
ブリーチとハンマーの接触抵抗が強過ぎるのも、ハンマースプリングが強過ぎるのが原因で発生している不具合だと考えられます。

なぜハンマースプリングが強過ぎるのか?

スプリングの組み込み方を間違えたのか、それとも組み込む際に変なチカラを加えてスプリングを曲げてしまったのか?
いずれにせよ原因はリアハウジング内に存在すると考えて間違いなさそうです。



アタマが痛くなってきました。
オクで安いマカロフをもう一丁買って研究したい気分です。
分解して塗装して組み立てただけなのに、ここまで上手くいかないとは…やはりKSCのメカを軽く見てはいけなかった様です。

次回に続きます。




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