KSCマカロフPM④

今回は塗装前の外装カスタムと塗装です。
といっても大した事をする訳ではありませんが…

『アトミック・ブロンド』の一場面です。シャーリーズ・セロンのCZ75は弾切れかどうか不明ですが、撃つのを止めて逆手に持ち替えています。
壁の後ろ側からトカレフを構えた敵が近づいてきます…



壁の真後ろで敵がリロードしようと空マガジンを抜いた瞬間に襲いかかり、CZでトカレフを叩き落して顔面をボコボコに殴ります。
そこから殴り合い取っ組み合いの肉弾戦になだれ込みます…
動画はコチラです。


この映画では銃は華々しく描かれません。
主人公が敵を「撃ち殺した方が効率が良い」と判断すれば射殺し「殴り殺した方が効率が良い」と判断すれば撲殺しようとします。そして使い終われば躊躇なく捨てられます。そこには銃に対する執着は一切見られません。
徹底的に「ただの道具」として扱われています。

こんな扱い方をすれば銃がキズだらけになるのは目に見えています。
いくら銃が鋼鉄製でも、殴ったり叩き落したり蹴り飛ばしたりすれば打ちキズや凹みで表面がボロボロにならない筈がありません。



このくらいボロボロな方が説得力があります。
米国webサイトで汚いマカロフの写真を探し回って見つけました。
ブルガリア製マカロフです。
この写真には元ネタの動画があります。


今回はエッジやセレーション部分の塗装を丁寧に落とす「ビンテージ仕上げ」ではなく、生々しいキズだらけの「ボロボロ仕上げ」を行います!

こういうカスタムは別に真新しいモノではありません。以前紹介したBARNSさんのトカレフカスタム ”ストラーフ” と同じコンセプトです。
もちろんBARNSさんの超絶リアルなカスタムとは全く比較になりませんが…
やれるだけやってみます!



まずはスライドとフレームを加工します。
エッジやセレーション部分を極小の切削ビットで削ります。
こういうカタチの切削ビットです。



切削ビットを軽く押し付けて素早く横に走らせると「カカカッ!」と跳ねながら不規則にキズが付きます。とても簡単です。
コレを何回か繰り返して好みのダメージ具合になるまでキズを付けます。





やり過ぎるとワザとらしくなるので、自然な感じにキズが付いたトコロで止めます。
この止めドコロを見極めるのがこの加工で一番大事なポイントです。
ま、こんなクレイジーな加工に「大事なポイント」とかあるのか? ですが…

そして今回の外装カスタムでどうしてもやりたかったのがコレ!
諜報機関ならではの「刻印消去」です!



銃の素性が判らない様に刻印を削り取ります。
劇中に登場するマカロフはここまで極端な加工は施されていませんが、勝手に「身元を知られたくない人達が使う銃ってこんな感じだろうな」と脳内イメージを膨らませて加工しました。
想像以上に怪しい銃になりました…

しかしキズ部分は削りっぱなしの状態なのでカドが立っています。
実銃は鋼鉄製なので「硬いモノが凹んだ」雰囲気を出さなければいけません。
キズ部分を含めた全体を600番のペーパーで研磨します。





程良くカドが取れてイイ感じになりました。
HW樹脂はペーパーで研磨すると金属光沢が出るのでとても良い雰囲気になります。
今回は塗装仕上げを行うのでちょっと勿体ない気がします…





やり過ぎ感が出ない様に加工しましたが、結構キズだらけになっています。
不自然さのギリギリ手前といったトコロでしょうか?
何事もトライ&エラーの繰り返しで上達するのだと思います…

フレームもイイ感じにカドが取れました。
さりげなくJASG刻印を削り落として研磨しています。





唯一グリップ底面だけは荒々しくキズを付けました。
この部分はマガジンチェンジ以外にも相手を殴ったり床に落としたり、様々な要因で酷使されるので切削ビットでガッツリ削りました。
それらしい雰囲気が出ていると思います。

次にグリップを加工します。
加工方法は全く同じです。切削ビットでキズを付けて600番のペーパーで削ります。
全体的にフレームよりも荒々しく仕上げました。





かなりハードに加工しましたが、ベークライトの雰囲気は良く出ています。
というのも私、ほぼ毎日ベークライト(フェノール樹脂)製品を見て触って使っていますので、私にとってベークライトは見慣れた存在なのです。
ベークライトの解説はコチラ



A型二極30A-125Vコンセントです。現在では規格自体が廃止されている古いコンセントですが、私の職場ではまだまだ現役で使用しています。
フツーのサラリーマンの皆様の事務所に10本くらい転がっているアレです。

この赤茶色の材質がベークライトです。
まだらな色合いや摩耗した風合いはまさにマカロフのグリップそのものです。
仕事をしながらマカロフのグリップを毎日見ている様なモノなので、ベークライトの風合いを再現する方法はすぐに思い付きました。





ベークライトは非常に硬いので割れたり折れたりすることは稀です。かなり乱暴に扱っても表面に傷が入るだけで済みます。
そのためベークライト製品の表面は細かいキズだらけになりますが、長年の使用で表面が摩耗していくと「キズは見えるが手触りはツルツルしている」という不思議な状態になります。

コレを再現するために思い付いた方法が「深くキズを付けて強く研磨する」です。
キズだらけなのにツルツルしている独特の雰囲気が再現できたと思います。
そしてフレーム同様にグリップも底面を荒々しく加工しています。






とてもイイ雰囲気に仕上がりました。
正直「塗装しなくても良いかな?」と思いましたが…塗装します。
というのも、imfdbで紹介されているマカロフのグリップが黒色なのです。
『アトミック・ブロンド』のimfdbはコチラ



黒グリップのマカロフといえば、フルアジャスタブルRサイトを装着した民間モデル "バイカル” が有名です。
ソ連崩壊後に『バイカル』ブランドで数多くの民間仕様マカロフが輸出されました。米国には ”Baikal IJ-70” の名称で.380口径と9mm口径の標準モデル/多弾装モデルが輸入されました。
現在は対ロシア経済制裁のため輸入が停止されています。
コチラです





解説動画はコチラです。
テンションの高いお兄さんが熱弁してくれます。


また東ドイツ製マカロフも黒グリップを装着しています。
コチラです



しかし東ドイツ製マカロフのグリップには星マークがありません。
ソ連製マカロフの黒グリップモデルはなかなかレアな銃だと思います。



劇中に登場するマカロフはグリップの色まで詳細には確認できませんが、imfdbがわざわざレアな黒グリップのマカロフを紹介しているという事は、劇中で使用されたマカロフは黒グリップモデルだったのでしょう。

という訳でグリップを黒色に塗装します。
完全乾燥後に改めてペーパーで削ってベークライト風に仕上げようと思います。

最後はアウターバレルです。
コチラは削り加工は一切行いません。マスキングして塗装するだけです。



先端のネジ部分とバレルベースに組み込む部分をマスキングします。
ネジ部分を塗装するとサイレンサーがネジ込めなくなります。同様に寸法公差がタイトなバレルベース部分も塗装すると塗膜の厚みで組み込めなくなります。
塗装するのはアウターバレルの直線部分と後端だけです。

バレルベース上部はチャンバーから見えるにも関わらず、表面がザラザラでお世辞にも綺麗な仕上げとは言えません。
600番のペーパーで研磨して染め直します。





しかし研磨するとスが出てくるので、どのみちピカピカにはなりません。
それでもザラザラよりは遥かにマシです。



これで準備は完了です!

それでは塗装を行います。
まずはイサム塗料のウレタンメタリックシルバーで塗装します。
「ボロボロ仕上げ」の下地色です。



塗装したのは先月31日です。
今日で120時間経過しているので完全に硬化しています。

この上から上塗り塗装を行います。
使用するのはGスミズSの『鉄色倶楽部 青組』です。
始めて使う塗料です。



マカロフの限りなく黒に近い重厚な青が再現できれば良いのですが…
ま、有名な塗料なので変な色にはならないと思います。
完全硬化時間は48時間です。今日塗装すれば8日以降に作業を再開できます。

グリップは同社のウレタンブラックで塗装しました。
コチラは上塗り塗装をしません。ブラックが完全硬化すれば塗装は終了です。
塗装前と同様に表面を研磨してべークライトの風合いを再現します。

次回に続きます。




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