KSCマカロフPM③

七月は大雨災害といい台風12号といい、過去に類を見ない災害が続きました。
今年は災害の当たり年なのかも知れません。
幸い香川県は29日の夕方から台風一過の晴天が続いています。



前回の加工から48時間経過しました。
接合部分のジーナスがカチカチに硬化しています。

それではインナーバレルを抜き…ぬ、抜けません!
アウターバレルの内側にハミ出したジーナスがガチガチに固着してインナーバレルが抜けません!
ペンチでインナーバレルを掴んで引っ張ったり、チャンバー側から丸棒ヤスリをハンマーで叩き込んだり、あらゆる方法を用いて格闘すること30分…

ようやく抜けました。
大型ペンチで掴んで渾身のチカラで引っこ抜きました。



僅かな量でガチンガチンに固着してました! 恐るべきジーナスの接着力!
これなら接合したネジ部分が外れる心配は皆無です!

しかしペンチで掴んだキズが無数に入っています。
抜かないと作業が進まないとはいえ、ちょっと無理し過ぎたかも知れません。
セロテープを取り除いて状態を確認します。



案の定、ペンチで掴んだ部分がキズだらけです。削れてささくれた真鍮が金色に輝いています。先端に固着したジーナスといい、これではゴミ箱から回収したジャンクパーツ同然です。

このままでは組み込めないので修復します。
棒ヤスリで荒れた表面を均し、固着したジーナスを削り落とします。



ささくれはすべて削り落としましたが、深いキズはどうしようもありません。
しかも部分的に黒メッキが削り落とされた表面はお世辞にも綺麗とは言えません。

削った部分をブラスブラックで黒染めします。



相変わらずブラスブラックはくすんだ灰色にしか染まってくれませんが、真鍮の地肌が丸見え状態よりは100倍マシです。深いキズも目立たなくなりました。

それではアウターバレルをスライドに組み込…く、組み込めません!
スライド先端部分の内径が僅かに小さいので、ネジ部分が通過できません!
まさかの採寸し忘れです!



という訳で計測しました。

 ・ スライド先端部分の内径 12.0mm
 ・ ネジ部分の外径     12.2mm

スライド先端部分の内径12.2mmに対してネジ部分の外径12.2mmです。
0.2mmの寸法差です。



スライド先端部分を削って調整します。
削り過ぎるとカッコ悪いので棒ヤスリで慎重に削ります。
僅か0.2mmとはいえ内径を拡大すると見た目の迫力が倍増します!



これでネジ部分がスライド先端部分を通過できます。
マカロフはシンプルブローバック方式なのでアウターバレルはチルトダウンしません。スライドが真っ直ぐ水平に通過しさえすればOKです。



仮組が終われば不要なジーナスを削り落として形状を整えます。

まずはバレルの内側ですが…コレがまぁ、凄い事になっています。
これではインナーバレルが出てこないのも当然です。



基本的にジーナスはセロテープに反応しません。しかしネジ部分に差し込まれたセロテープ病面の凸凹に入り込んだジーナスが硬化してしまってはハナシは別です。
こうなると厚く巻いたセロテープが崩れるまで引っ張らないと抜けません。
30分かかったのも納得です。

ネジ部分は亜鉛合金ですが、それより奥はABS樹脂です。削り過ぎない様に注意しながら慎重にジーナスを削り落とします。
そして銃口部分に固着したジーナスを削り落として仕上げ直します。



見違えました!
これで内側は終了です。

続いて外側の形状を整えます。
不要なジーナスを削り落として必要最小限の部分だけ残します。そして強度が確保できる最小限の厚さに削り込みます。意外と簡単にポロポロ削れ落ちるので削り過ぎないように注意が必要です。
最後にアウターバレル全体を400番のペーパーで仕上げます。



良い感じになりました!
カスタムバレルの雰囲気が漂ってきます。

それではサイレンサーを装着してみましょう!



装着は問題ありません。
ネジ切り部分の直後に残したジーナスがストッパーになって「キュッ!」と固くネジ込まれます。その状態でガッチリ固定されてガタつきは一切ありません。
大成功です!!

しかし…

なんとなくサイレンサーが上に傾いている様に見えます…



よーく見てみると…
ネジ部分がズレて見えるだけではなく、銃口も上を向いている様に見えます。
まとめると次の様になります。

 ・ 銃口が僅かに斜め上を向いている
 ・ ネジ部分全体が下方向にズレて下側にハミ出している

しかしネジ部分は絶対に垂直水平とセンターがズレない方法で接合した筈です。
なぜズレが生じたのか…

回転防止加工はインナーバレルとアウターバレルの左右両側に施されています。
このため銃口側からインナーバレルをアウターバレルに挿し込んだ場合、左右方向に動く事はできませんが、加工が施されていない上下方向には少しだけ動きます。


ネジ部分の内径がアウターバレルの内径より0.7mm小さいため、いくらネジ部分で正確に垂直水平とセンター出しを行っても、接合するアウターバレル内に生じる0.7mmの動き代をなくす事はできません。上下方向に0.7mmの動き代を残したまま接合作業を行う事になります。
回転防止加工を過信し過ぎたために動き代の存在に気付きませんでした。
完全な作戦ミスです。



ここからは推測ですが…

 ① ネジ部分がセロテープを巻いたインナーバレルに垂直水平に挿さらず、
   僅かに上方向を向いた状態で斜めに刺さる
 ② その状態でインナーバレルが下方向に動いて下側がハミ出る

こういう事だと思います。

せめてジーナスで接合する際にノギスでネジ部分の垂直水平をチェックしていれば、サイレンサーが上を向くというお粗末な結果は回避できたのですが…
完全な確認ミスです。

作戦ミスと確認ミスが重なってネジ部分に傾きとズレが生じてしまいました。
ま、銃の外観として自然な上方向に傾いたのが不幸中の幸いです…



気を取り直して仮組します。

フレームにバレルベースとトリガーだけを組み込んだ状態です。
そこにアウターバレルを組み込みます。



フレームに組み込むとネジ部分の傾きなど全く判りません。
下側へのハミ出しが目立つのは銀色に輝くジーナスが原因です。ブルーブラック系の塗装を施せば目立たなくなると思います。

スライドを組み込みます。
先端部分の内径を合わせているので問題なく組み込めます。



長過ぎず短か過ぎず、ちょうど良い長さです。
カスタム銃らしくなってきました。

サイレンサーを装着してみます。



見た目は抜群です!
やはり諜報機関の銃にはサプレッサーが似合います!

しかし…
遠目にもサイレンサーが部妙に上を向いているのが判ります。
これはもう「下や左右を向かなかっただけマシ」と我慢するしかありません…



サイレンサーとスライド先端との隙間は1mmです。
理想的な間隔になりました!
全くの偶然ですが、見た目のバランスは最高です!
悪い事もあれば良い事もあるものです…

サイレンサーの先端から中を覗いてみます。



ちゃんとスライド後端のファイアリングピン穴が見えています。
この程度の傾きであれば、BB弾がサイレンサーの内部に当たるトラブルは発生しないと思います。
あくまでも推測ですが…



スライドストップ位置までスライドを後退させてみました。
ホールドオープン時にはこの状態になります。

35スタウトサイレンサーと組み合わせるとアウターバレルの細さが際立ちます。外径が11.2mmしかないので当然です。
しかし細く華奢に見えてもバレルベースにガッチリ固定されているので、少々振り回した位ではビクともしません。インナーバレルを組み込めば更に剛性がUPします。

ネジ部分はジーナスでガチガチに接合されているので、サイレンサーを根元までネジ込めばガタつきは皆無です。
とはいえコチラも過信は禁物です。



大掛かりな加工はこれで終了です。
あとは外装にちょっとした加工を施してから塗装を行います。
無事にサイレンサーバレルが完成したので、今回のカスタムは成功したも同然です。

次回に続きます。




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です