KSCマカロフPM①

今回からKSCマカロフPMをカスタムします。

先に予告した通り、冷戦時代のヨーロッパが舞台の映画『アトミック・ブロンド』でわんさか登場するマカロフの中でもひときわ異彩を放つ、ラストの銃撃戦で使用されるサプレッサー付きマカロフを再現します。



KSCマカロフPMは既に手元にあります。
ver.2化された再販モデルです。

カスタム用にKM企画製35スタウトサイレンサー105mmと各社M92F系用サイレンサーアダプターを購入しました。
このサイレンサーが劇中のサプレッサーとほぼ同じ大きさだと思います。



実際にはマカロフで十分な減音効果を得るにはかなり長いサプレッサーが必要です。
コンパクトサイズ故の短いバレルが原因なのでしょうか?
本体より長いサプレッサーはなんとも仰々しく、とても撃ち難そうです。


同じ様なサプレッサーを使用している動画です。
かなり減音されています。さすがワルサーPPを参考に開発されただけの事はありますが、この長さではバランスが悪過ぎて撃ち難そうです。


しかしバレルの長いMk23専用サプレッサーもかなりの長さです。
拳銃の発砲音を低減するには口径やバレル長に関係なく、概ねこのくらいの長さが必要なのかも知れません。



動画はコチラです。
やはり『USSOCOM制式採用』の肩書は伊達ではありません。驚異の静粛性です!
マルゼンM4504の方が音がデカイ気がします…


実銃のサプレッサー事情はこんな感じですが…
映画はあくまでも映画です。

映画ではリアルさよりも演出効果が重視されます。なのでどの映画にも程度の差はあれ「?」な部分は存在します。



特にこの映画は最近流行りの「カッコイイ近接格闘術をこれでもかと魅せる」手に汗握るガチのアクションシーンがウリの作品です。ラストの銃撃戦も格闘しながら銃を奪い合い撃ち合う激しいシーンなので、見た目重視の短いサプレッサーが選ばれたのだと思います。
実際にはこの長さのサプレッサーでは減音効果はほとんど期待できないでしょう。

さて、KSCマカロフPMです。
用意したサイレンサーとM92系用アダプターを並べてみました。
こんな感じでサイレンサーが装着されます。



しかしこのアダプターはアウターバレルに被せてイモネジで固定する方式なので、そのままではM92系の様にスライド先端からアウターバレルが突き出ている銃にしか装着できません。

マカロフに装着するにはバレルを延長する必要があります、が…
それ以前に問題が発生しました。



マカロフのアウターバレル外径11.2mmに対してアダプターの内径は13mmです。しかもアダプターの内径は調整用のカラーを装着した状態で13mmです。
これ以上調整するにはビニールテープ等でアウターバレル外径を1.8mmも太くしなければいけません。

いくら何でもカッコ悪過ぎです。

そもそも何でこうなったのか…
マルイM92FミリタリーとKSCマカロフPMのアウターバレルを比較してみます。



同じ9mm口径ながら、両者のアウターバレル外径は大きく異なります。

 ・ マルイM92Fミリタリー 13.5mm
 ・ KSCマカロフPM    11.2mm

なんとマカロフの方が2.3mmもアウターバレル外径が細いです。これではM92系用アダプターの内径が大き過ぎるのも当然です。
両者とも実銃の寸法を厳密に調査して製作されている筈なので、実銃のアウターバレルの外径そのものが異なっているのでしょう。

M92系が肉厚で頑丈というべきか、マカロフが肉薄でコンパクトというべきか…
同じ口径でここまで外径が違うのは驚きです。



やはりアダプターを介さずに直接サイレンサーを取り付けた方がカッコイイです!

この取付方法を実現するためには、アダプターのネジ部分を切断してアウターバレル先端に移植しなければいけません。
もし十分な強度が出なければ『型取くん』でアダプターのネジ部分を型取り、プラリペアで複製したネジをアウターバレル先端に溶着する方法もあります。

しかし…
冷戦時代のマカロフ用サイレンサーにこの刻印はあり得ません。



600番のペーパーでガシガシ削りましたが刻印は消えません。一瞬で消えると思っていただけに驚きました。プリント刻印もなかなか侮れません。
塗装して刻印を消すしかなさそうです。



マカロフの通常分解はとても簡単です。
ストレートブローバック方式なのでシンプルな部品構成です。



ここで少し脱線しますが…
ver.2のマカロフはver.1で頻発した不具合が解消されていると言われています。
歯切れの悪い表現ですが、コレについては賛否両論ありますので…

ファーストさんが改良箇所を詳しく紹介されています。
コチラです

作動に直結するハンマー周りの改良箇所を見てみます。
まずはスライド側です。
セフティレバーとハンマーハウジングの接触部分が改良箇所です。



そしてフレーム側です。
ハンマーに設けられたシアーと噛み合う凹部分が改良箇所です。



どのくらい改良されたのか調べてみたいのですが…
ver.1が手元にないので寸法を比較する事ができません。

しかし以前持っていたver.1で発生した「シングルアクション病」が今のところ発生していないのは事実です。
シングルアクション病についてはあんこさんが分かり易く解説されています。
コチラです。

とはいえver.2でver.1の不具合が解消された事を疑問視する意見も存在します。
基本構造が変更されていないのは事実ですので…
パドックさんのブログです。
コチラです



KSCマカロフPMの記事でこの問題をスルーするのは何となく無責任な気がしましたので、肯定的な意見と否定的な意見の両方を紹介しました。

確かに作動は良くなっていますが、少数の部品形状を少し改良しただけという印象は否めません。一般的には小変更レベルの改良だと思います。
「ver.2」などという大袈裟なネーミングを採用したのが混乱の原因でしょう。

さっさと全面改良した「ver.3」を発売して欲しいです…



閑話休題。

今回もカスタム後に塗装します。
塗装するには銃を完全分解しなければいけませんが、マカロフは取説に分解方法が詳しく記載されているので容易に分解できます。

まずスライドを分解します。
極小のセフティレバースクリューを0.7mmの六角レンチで外すのですが、物凄く固くネジ込まれているので、指で回すと六角レンチが食い込んで痛いです。
ペンチで六角レンチを回して外しました。



セフティレバースクリューを外すとセフティとハンマーブロックが外れます。
極小の部品が多いので紛失注意です。

そしてRサイトの下側にあるブリーチロックスクリューを外します、が…
Rサイトがガチガチに差し込まれているので外すのに苦労しました。
取説に「プラハンマーなどでずらして…」と記されているので、設計の段階から工具で外す前提で、ブローバックの衝撃でズレないガチガチ寸法にされている様です。



ブリーチロックスクリューが外れるとブリーチが落ちてきます。
今回はブリーチは分解しません。
これでスライドの分解は完了です。



次にフレームを分解します。
グリップスクリューを外してグリップを後ろに引き抜きます。



次にアウターバレルを取り外すために周囲の部品を外します。
スライドストップとスライドストップスプリングは簡単に外れます。
そしてスライドストップの裏側に隠れていたバレルピンを抜くのですが、このピンは方向性があるので、写真の様に右側から左側に向かって引き抜きます。



これでバレルベースからアウターバレルを引き抜く事ができます、が…
固く差し込まれているのでチカラが必要です。

全般的にマカロフは部品同士の寸法公差が非常に少なく設計されている様で、各部品の嵌合がキツくなっています。
ま、不要なガタが出るよりはキツい方が良いと思います。



インナーバレル一式を分解します。
コチラも取説に記載されているので簡単に分解できます。
アウターバレル下側の三本のピンを抜くだけです。



これでバレル一式が分解されます。
インナーバレル前方左右に回転防止加工が施されています。非常に凝った造りです。
今回はインナーバレルは分解しません。



取説に分解方法が記載されているのはここまでです。
フレームの分解方法は一切記されていません。
「フレームは分解するな」「何があっても自己責任」という事なのでしょう。

気にせず分解を続けます。

まずはハンマースプリング一式を外します。
最初にハンマースプリングリテイナーをフレーム下側の切り欠き加工が施されている部分まで引き下げて取り外します。
そうするとハンマースプリングがリアハウジングに刺さった状態になるので、下側に引っこ抜きます。



本当はリアハウジングを分解してハンマースプリングを外すのが正しい方法だと思います。リアハウジング内で色々な方向に圧力がかかった状態でハンマースプリングを引っこ抜くと、最悪の場合ハンマースプリングが変形しかねません。
1911系に良く似た形状に惑わされて、よく考えずに引っこ抜いてしまいました。
どういう風に組み込まれていたか写真も撮っていません。

組み立てに一抹の不安が残ります…

ま、気にせず分解を続けます。
フレーム後方の三本のピンを抜きます。



これでリアハウジングが取り出せます。
トリガーバーもリアハウジング内に組み込まれた状態で一緒に出てきます。
スプリングテンションがなくなるので、トリガーがプランプランになります。



リアハウジングはピンでガッチリ固定されていますが、不測の事態に備えてセロテープでグルグル巻きにしておきます。
内部に細かい部品がギッチリ組み込まれていて、KSCらしい精密さを感じます。
ハンマースプリングの組み込みが恐ろしく難しそうですが…



フィードランプの下側に隠れていたバレルベースボルトを外します。
コレを外すには4mmの六角レンチが必要です。



バレルベースボルトを抜くとバレルベースが外れます。
このボルトの同軸上に細かい部品が多数組み込まれていますが、どれもバレルベースやフレームにガッチリ組み込まれています。
特にフレームに組み込まれたトリガーガードピンは外し方すら判らないのでそのままにしています。



またバレルベース前方下部にはクッションバッファーというゴム板が張り付けられています。ココはブローバック時にスライド前方下部が激突する部分なので、衝撃を緩和するために装着されているのでしょう。



衝撃によるスライド割れは事前に想定できた様ですが、シングルアクション病は事前に判らなかったのでしょうか?
耐久テストなど行えばすぐにシングルアクションでハンマーが落ちなくなると思うのですが…
どこかの社外メーカーが絶対にシングルアクション病が起きなくなるカスタムハンマーとカスタムシアーを販売してくれるのを期待します。

最後の部品を分解します。
トリガーガードシャフトを抜きます。



トリガーガードシャフトを抜くとトリガーガードが外れます。
これでフレームの分解は完了です。



とりあえずカスタムの下準備は整いました。

実は月初めの大雨災害の前にここまでの作業を済ませていたのですが、災害で徹夜になったりグロックGen5を完成させてロケを行ったり、色々な事をバタバタやっている間に記事を書くのがすっかり遅くなってしまいました。



昨日、この夏初めて海に行ってきました。
真っ青な空に浮かぶ巻雲と積乱雲(入道雲)に夏を感じます。
とても気持ち良くて楽しかったのですが、夜のニュースで「命に係わる暑さ」と報道されていてドン引きしました。

海水浴も命がけとは…
平成最後の夏は悪い意味で記録に残りそうです。

次回に続きます。




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