エル・ポトロ⑨

先週の中頃にグリップが届きました。
物凄く忙しかったので今頃やっと記事を書いてます。

仕事中にヤマト営業所から連絡を受けて、昼休みに営業所で引き取りました。
で、早速駐車場で撮影です。
不審者と思われるとアレなので、ササッと簡単に済ませました。



パッケージは普通ですが、色使いが高級感あります。
しかし造りは至って簡素です。

それでは出してみます。



う、美しい…
メチャメチャ美しいです!
乳白色と透明の樹脂が描くマーブル模様が何とも言えない高級感を醸し出します。

素晴らしいグリップです!
買って良かった!



裏側に ”HOGUE” と品番の刻印があります。この写真では判別できませんが。
特徴的なピンカットが自己主張しています。

前回「安っぽさ全開」と書きましたが、謹んで撤回させて頂きます。
何事も百聞は一見にしかずです。

しかし「パールそっくりだから」美しいのではありません。
あくまでも真珠は真珠、フェイクパールはフェイクパールです。
強いて言うなら「真珠をお手本にして樹脂で高級感のあるグリップを造ってみました」です。
この商品の目的は「真珠の正確無比な複製」とは違います。それは美術館や博物館の仕事です。銃のグリップは「貝類の忠実な標本」ではありません。

本物の真珠はコチラです。最高級の本真珠です。
当然美しいのですが、コレはフェイクパールとは全く異なる美しさです。
この質感は樹脂をどうこねくり回しても再現できないと思います。



そこでフェイクパールグリップにはある種の「割り切り」が求められるのですが、それが良い方向に働いているのが今回のホーググリップだと思います。

AJAXのフェイクパールグリップも一見「本物の真珠に似てそう」で実は似ても似つかぬ外観をしていますが、同社はこれを ”Pearlite” という名称で商標登録(R)しています。
園芸用のパーライトとの混同を避けたのかも知れません。



真珠はこんな外観ではありませんよね?
「透き通り過ぎ」というか何というか、どうやっても「樹脂っぽさ」は否めません。

AJAXはマーブル模様のグリップを多数ラインナップしています。
Pearliteのカラーバリエーション的な商品群で、これらは ”MarbleLite” という商標(TM)が付けられてます。
色使いはアメリカンな大胆さ全開です。
個人的にはコッチの方が「こんな貝いるかも?」と思ってしまいます。



これはキャロムのフェイクパールグリップも同様です。
透き通るような美しい透明感は見方を替えれば「精巧な人工物」を感じさせます。
真珠特有の「有機質とカルシウムの積層構造」が放つ深みのある白色とは全く異なります。
むしろ貝殻の裏側部分に似ています。



貝殻の裏側部分です。
虹色に輝く姿がピンクとライトブルーを混ぜ込んだキャロムのフェイクパールグリップにとても良く似てますが、残念ながらコレは真珠そのものではありません。
真珠が入ってる器の方です。



すっかり前置きが長くなりました。
エル・ポトロにホーグのフェイクパールグリップを取り付けます。

ポン付けかと思いきやそうはいかず、取付穴を僅かに削る必要がありました。それでも両側合せて10分の簡単作業です。
とはいえ「いかにもポン付け可能」みたいな商品紹介写真はどうかと思いますが。

取付が終わりました!



無機質なWEグリップからガラリと雰囲気が変わって、銃全体がとても華やかに美しく変身しました!
ここまで変わると別の銃です!
最初からこの仕様にしなかったが悔やまれます!



このグリップ、実際は上の写真よりもずっと乳白色です。
バニラのアイスクリームみたいな色です。
またはインテグラタイプRのチャンピオンシップホワイトの色です。
とにかく真っ白ではありません。



この写真が実物に近い色味です。
乳白色なのが伝わるでしょうか?
実物はもっと乳白色が強く、透明な部分と美しいコントラストを描いています。

この乳白色がヌメッとしたブルーブラックに抜群に合います!
ま、天下のコルト社が選んだ組み合わせなので相性の良さは保証付きなのですが。



キャロムやAJAXの透明感のある純白系とは全く色味が異なります。
写真では同じ系統に見えますが、実物はかなり異なってます。

強いて言えば昼白色と電球色の違いでしょうか?
昼白色がキャロム/AJAXで電球色がホーグです。



「真珠に似ているか?」と問われれば、答えは「似てません」です。
しかし美しいグリップには間違いありません。

そう考えるとフェイクパールグリップは、如何に「真珠っぽい!」と「錯覚させる」かが勝負の商品と言えなくもありません。
ある意味「イメージ商品」と言っても良いのかも知れません。

仮に本真珠でグリップを造ったとしても、地味に真っ白で面白みがないグリップにしかならないと思います。
大半のテッポー好きはフェイクパールグリップを選ぶでしょう。

ちなみに…



比較するのが可哀そうなWEグリップ。
一年半も付けてたので目が慣れてましたが、比べると安っぽさが際立ちます。
あまりの安っぽさに「え!?」と思った程です。



「見ろ! WEがゴミのようだ!」

今まで「完璧!」と思ってたのは、研磨した機能パーツ類の金属感と相性が抜群に良かったからでしょう。
このグリップを付けると銃全体が無機質な金属感で統一されます。
統一感はカスタムの重要な要素です。各部がチグハグだと一気にガキっぽくなります。それに実銃のシルバーグリップを再現する意味でも外せないグリップでした。
それで安っぽさ全開のWEグリップが必須アイテムに見えていたのでしょう。
実際、かなり満足してましたし。

自分の中では「硬質感のあるクールな銃」で完成してましたので、どこかを変更するとか想像もしませんでした。



しかしホーグに換装すると圧倒的に銃の完成度が高くなります!
本体のブルーブラックとの相乗効果は抜群です!
正直、ここまでキマるとは思ってもいませんでした!

「ちょっと出来すぎ!?」と思ってしまいますが、あくまでも天下のコルト社の後追いをしているだけで、私の手柄でも何でもありません。



これでようやく ”エル・ポトロ” が完成しました!
キラキラパーツとグリップのおかげです!
一度カスタムし終えた銃を再度カスタムし直したのは初めてですが、良いと思う事は積極的にやるべきですね。



この記事は昨日書いてましたが、夜中になったので続きを今日書いてます。
昨日は暖かかったので、完成したエル・ポトロのロケを行いました。

なんでも昨日は最高気温16度だったとか。
昨日は病院の日でしたが、絶好のロケ日和なので機材一式をクルマに放り込んで出かけました。
こういう「銃を積んでる日」は事故とか検問とか絶対イヤです。
おのずと安全運転になりますね。

ゴリゴリする右肩で病院巡りを終わらせて午後に到着しました。
一ヵ月ぶりの府中湖です。



木々が紅葉してすっかり晩秋の佇まいです。
前回はほとんど紅葉してなかったのでちょっと驚きました。
今年はいきなり真冬の寒さになったので、紅葉を楽しむとかそんな感じでもなかったですが、季節は確実に進んでいる様です。



風も穏やかで日差しが暖かいです。
山の紅葉も綺麗ですが、湖の紅葉もなかなか見ごたえがあります。
紅葉と言っても鮮やかな赤や黄色ではありませんが、私にはコレで十分です。

まずは初速計測です。
マルイ0.2gバイオ弾を使用します。
  一回目 60.75m/s
  二回目 64.65m/s
  三回目 63.84m/s
  四回目 62.19m/s
  五回目 63.11m/s
 平均初速 62.90m/s

11月末という時期を考えれば良い数値です。

それでは標的射撃を行います。
いつもの20mと10mです。



まるで夕方みたいな日陰になってますが、撮影したのは2時過ぎです。
日の高さが夏と冬でこれほど違うものかと思わされます。

お決まりですが上が20mで下が10mです。



標的射撃にはG&Gの0.28gバイオ弾を用います。
一ヵ月ぶりの射撃ですが、果たしてどうなるか…

それではご覧下さい。


ブログを初めて以来、最悪の結果になりました…
 20m 26発中 0発ヒット
 10m 27発中 4発ヒット

たった一ヵ月とはいえ、思いっきり腕が鈍ってます!
合計4発ヒットってどういうコト!?
右肩のゴリゴリ感は関係ありません。純粋にヘタなだけです。

むむむ…

気を取り直してブツ撮りです。
今回はブツ撮りが後になりました。

写真を撮ろうにも湖岸がずーっと日陰で真っ暗なので、かなり先の陽だまりまで歩いてそこで撮りました。



斜めからの木漏れ日なので光が弱いです。
でもそれなりに雰囲気のある写真が撮れました。
夏は緑の草で一杯でしたが、昨日は一面枯れ松葉です。

こんな所にも季節を感じます。



弱くても自然光の下だとブルーが表情豊かに発色します。
ブルーなのかパープルなのか黒なのか分からないのがまた良い感じです。
やっぱり銃の写真は自然光に限ります。
光が弱くても弱いなりに味のある画が撮れてくれます。



本当に美しいホーグのフェイクパールグリップ。
弱い木漏れ日でも十分発色しています。
本体のブルーとの相性は本当に抜群です!

もうちょっと強い光が欲しいので、日差しを求めて移動しました。



このくらい光があると良い感じの画が撮れます。
前にも書きましたが、銃は草木の緑を合わせると綺麗に撮れると思います。
ま、単なる私の好みですが。

反対側を撮ります。
構図をあれこれ考えるのも楽しい時間です。



ホーググリップのおかげで良い具合に無機質さが消えてくれました。
妙な表現ですが銃がイキイキして見えます。

私がコテコテのタクティカル銃を造らないのは、無駄のなさ故の無機質さや味気なさが嫌いなのかも知れません。
その手の銃を映画や雑誌で見るのは好きなのですが、いざカスタム銃を製作する時には木やシカ角、牛骨などの天然素材を組み合わせてしまいます。
今回のフェイクパールグリップもその流れにあります。本真珠とはかけ離れてますが、VZ Gripsなどの機能最優先グリップとは対極の存在です。

ちなみにタクティカル銃で最近カッコイイと思ったのが、映画『ワイルドスピード・アイスブレイク』に登場した ”Kimber Warrior SOF” です。



スライドのアースカラーがクールです。フレームもダークグリーンです。
独特のF/Rサイトがアレですが、それ以外はMEUベースに社外パーツを組み合わせればサクッと再現できそうです。
レイルフレームもタニオコバから発売されてますのでバッチリです。
劇中ではX300が装着されてましたので、製作するならX300も必要です。



こういうタクティカル銃も一丁は欲しいな~とは思います。
この銃はいつか製作するかも知れません。

しかし「既に誰かが造ってそう」とか「そのうちWAから出るんじゃないか?」とか思ってしまうのが悪い癖です。



先の話はともかく…

エル・ポトロ編はこれで終了です!

(さらに…)

エル・ポトロ⑧

前回の記事を投稿した後に気付いたのですが…

研磨したリコイルプラグが見えちゃってます。
本来は見えないのですが、ダストカバーの寸法が僅かに足りていませんでした。



さすがにカッコ悪いので黒染めします。
見える部分だけ染めれば十分です。



改めて組み込みます。
加工直後に発生したキーキー音は一切しません。
あれは一体何だったのでしょうか?

これで見た目はバッチリです。



今回、製作から一年半後にこの銃を記事にするのに際し、改めてこの銃について調べてみました。

日本のwebサイトで ”エル・シリーズ” についての記述があるのは、エル・ポトロ①記事中で紹介させて頂いたPEKOさんのブログだけです。 
PEKOさんのブログ
なので調査は米国サイトがメインになります。

米国サイトでさえ情報が少ないのですが、探せばあるものです。
そのものズバリ、エル・ポトロについて記事が書かれたサイトを見つけました。
コチラです
短い文章なので簡単に意訳します。

★ エル・ポトロはコンバットコマンダーの限定モデルで、1994年に代理店リュー・ホートン社から500丁限定で販売されました。コルトロイヤルブルーにフェイクパールグリップ、.38スーパー口径という仕様で価格は1,025ドルでした。★

サイトに掲載されている写真です。
メダリオン付きの白系フェイクパールグリップが装着されています。



エル・パトロンに関する情報もありました。
コチラです
ここでも「コルト・カスタムショップで500丁製作された」と書かれています。

PEKOさん情報では「全バリエーション350丁限定」でしたが、これらの記事では「500丁限定」となっています。

”エル・シリーズ” の情報自体が少ないのでなんとも言えませんが、当初予定していた販売数を売れ行きに応じて増減させるのは珍しい事ではありません。1,000ドル超えの高額商品なので、売れ行き好調なら販売数を増やすのは当然の流れです。

販売年や代理店名まで特定されているので、記事の信憑性は高いです。

ここで私が注目したのは「グリップはフェイクパールグリップ」という情報です。
私が入手しているエル・ポトロの写真は、今回のモノを含めると四種類です。
今回の写真は上で紹介しましたので、残りの三種類を以下に挙げてみます。

1. 黒系のフェイクパールグリップが装着されています。メダリオンはありません。



2. 写真がモノトーンなので色が判別できませんが、1と同様にメダリオン無しのフェイクパールグリップが装着されています。



サンプル数は少ないですが「オリジナルのエル・ポトロはフェイクパール仕様」は間違いなさそうです。

3. 今回のカスタムの参考にした写真です。グリップは社外品に交換されています。このエキゾチックなグリップを再現するためにWEのメタル調グリップを取り付けました。



この手のアートグリップには硬度の高いジャーマンシルバー(シルバー800)が使用されます。このグリップは「ジャーマンシルバーグリップのエングレーブ加工+聖母マリア像の部分に24Kメッキ仕上げ」と推測されます。

この手のメキシカンアートグリップの販売サイトを見つけました。
コチラです
どれも超高級品ですが、メキシコの方々はこういうグリップがお好みの様です。
ちなみに下の写真のグリップはお値段244.95ドルです。



WEのメタル調グリップはそれなりに雰囲気はありますが、ホンモノのアートグリップには遠く及びません。
ま、amazon価格3,980円では最初から勝負にすらなりませんが。

現状の「WEグリップ装着エル・ポトロ」はこんな感じです。



ラテンな文様は十分それっぽいのですが…
モノは試しにフェイクパールグリップを装着したらどんな感じになるか、試してみようという訳です。

とはいえ機能パーツをキラキラ仕様にしている時点でオリジナルのエル・ポトロからかけ離れた姿になっていますが…コレはあくまでも ”エル・シリーズ” の文法に沿ったカスタムです。
エル・パトロンはまさしくこのキラキラ仕様です。
決して突拍子もない自己流アレンジではありません。

オリジナルのエル・ポトロをもう一度見てみます。
グリップ下側のピンカットに注目して下さい。



この深くえぐり込む様なピンカット。
これはホーグのフェイクパールグリップに間違いありません。



このホーグのフェイクパールグリップは日本のwebショップで販売されています。
残念ながらメダリオン仕様ではありません。
コチラのショップです



商品紹介にマルイ1911を使用しています。
「マルイ1911に取付可能です」と言ってくれている様なものです。
買わない手はありません。

「キャロムのフェイクパールグリップがあるじゃないか!?」と思われる方も多いと思います。確かにキャロムのグリップの方が安価で入手し易いですし、日本製なので品質も問題ありません。



キャロムのフェイクパールグリップは非常に良くできています。
白以外にピンクとライトブルーの樹脂が混ぜられていて、本物のパールの質感に極限まで近づけられています。「フェイクパールグリップ」としてのクオリティは非常に高い商品です。

対して米国製のフェイクパールグリップは透明と白の二種類の樹脂をザックリ混ぜて「パールっぽいよね?」な品質で売られています。
WAが採用しているAJAX製フェイクパールグリップも本物のパールとは程遠い商品です。あくまでも「パールを模したマーブル模様の樹脂製グリップ」として販売されています。
公式webサイト

「本物のパールらしさ」ではキャロムのフェイクパールグリップの圧勝です。
品質の高さが段違いです。比較になりません。
しかしその「品質の高さ」が時に邪魔になる場合があります。

今回の「フェイクパールグリップ仕様のエル・ポトロ」がまさにそのパターンです。
1994年に販売された ”オリジナル” エル・ポトロの再現には「安っぽさ全開でとても本物のパールには見えない」ホーグのフェイクパールグリップが必須なのです。

日本的緻密さやクオリティの高さを備えたキャロムのフェイクパールグリップはアメリカンなバタ臭さを強調するカスタムには不向きです。



さて、お値段はWEグリップの倍以上するホーグのフェイクパールグリップ。
パールグリップ自体は特に珍しい商品ではないので、「パールグリップ付けたのね」で終るかも知れません。
現状のWEグリップの方が「非凡さ」では遥かに上です。

結果は届いてからのお楽しみです。
次回に続きます。

(さらに…)

エル・ポトロ⑦

ここ数日で一気に冬に突入しました。
メチャメチャ寒いです。

寒さを考慮して丸三日間放置しました。
72時間経てば大丈夫でしょう。

治具からリコイルプラグを取り外します。



ジーナスを削り落としてキラキラ凸プラグがズレていないか確認します。
ズレているとリコイルSPガイドロッドが入りません。やり直し確定です。

内側にガイドロッドを通せばズレの有無はすぐに判ります。
なので外側は後回しにして、まずは内側のハミ出たジーナスを全て削り落とします。
作動に直結する部分なので徹底的に除去します。



削り終えるとこんな感じです。

綺麗に一直線に繋がって見えます。目視でズレは確認されません。
棒ヤスリの感触でもズレは感じませんでした。
ノギスで挟んで水平も確認しました。こちらはバッチリ水平が出ています!

取付に問題はなさそうです。



矢印で指しているのがジーナスの層です。コンマ数ミリの世界です。
非常に薄く華奢に見えますが、横幅が1mmあるので強度は心配ありません。

それではガイドロッドを挿してみます。
緊張の瞬間です…



入りました!
何の抵抗もなくスルスル前後します。
バッチリです!

それでは外側のジーナスを削り落とします。
見えない部分なので少々雑に削っても支障はありません。
ガシガシ削ります。



最終的に800番のペーパーで仕上げました。
ヤスリ傷が少々残りましたが、ピカピカにする必要はないので構いません。
もうちょっと綺麗に仕上げても良かったかな? とは思いますが。



先端部分です。
ピカピカ凸パーツ→ジーナス→WA/MGCプラグの三層構造です。
後は本体に組み込むだけです。

が、しかし…
ここで埋もれていた現実が掘り起こされました。

左側のジーナスが上手く削れないので左右をよ~く見比べると…キラキラ凸パーツが僅かに左側にズレて見えます(下側からの写真なので文中では左右が逆になります)



しかしガイドロッドは抵抗なくスルスル前後しました。
作動に問題はないように思われますが…

「目の錯覚か?」

などと淡い期待を抱きましたが、光を透かすと一目瞭然。
取付位置が僅かに左方向にズレています。

あー、なんてこった。



僅かとはいえズレはズレです。
しかもガイドロッドが高速で前後移動する重要部品のズレです。放置する訳にはいきません。

ズレ幅を計測します。
プラグの直径11mmに対して先端部分が11.2mm。0.2mmのズレです。

むむむ…



リューターでズレた0.2mmを削り落とせば外径はバッチリ11mmになります。
しかしそれでは折角のキラキラ凸パーツが台無しになってしまいます。
かといって僅か0.2mmのために切断してイチからやり直すのは正直メンドクサイ…

「とりあえず組み込んでみよう!」

何事もポジティブ思考が肝心です。

リコイルスプリングとガイドロッドを組み込んで圧縮します。
何の問題もなく圧縮できます。妙な引っかかりなど一切感じません。

いよいよスライドに組み込みます…



ダストカバーにリコイルプラグを差し込む時に引っかかります。
しかしリコイルプラグが水平になるとバチン!とダストカバーに収まります。

差し込む時はリコイルプラグに角度が付いています。それで僅か0.2mmのズレでも引っかかってしまうのでしょう。

エアガンの設計精度はやっぱり凄いです。



組み込むとこんな感じです。
長すぎてバレルブッシングを圧迫している訳でもなく、短すぎて中に引っ込んでいる
訳でもありません。
長さはバッチリです!

それではスライドをフレームに組み込みます…



バッチリ組み込めました!

スライド動作も問題ありません。
途中で引っかかる事もなく、キチンと正常に作動します。

ただ少しだけキーキー音がします。
リコイルプラグの穴が0.2mm左側にズレているので、ガイドロッドの右側が加工前より0.2mmキツくなっています。それで擦れて音がするのでしょう。

試しに室内で1マガジン撃ってみました。
何の問題もなく全弾撃ち尽くしてホールドオープンします!
作動は完璧です!

不思議な事に撃った後はキーキー音がしなくなりました。
アタリがついたのか元々そのくらいの寸法公差が設けられていたのか不明ですが、とにかくキーキー音は消えてしまいました。

先に「放置する訳にはいきません」と書きましたが、放置しても良さそうです。



ガイドロッドの右側の隙間がキツいのがお分かりでしょうか?

ガイドロッドとリコイルプラグが共にステンレス切削加工のポリッシュ仕上げになって質感が統一されました!
言われなければパーツセットにしか見えません!
キラッキラです!

外が暗くなりかけてましたが、とりあえず屋外で撮ってみました。
冬は日が落ちるのが早いので撮影には不向きです。



バッチリです!
外が暗いおかげでキラキラパーツが引き立ってます!
スライド先端が輝くと精悍さ倍増です!!

とはいえ正直、この写真ではどれだけ輝いているか分かり難いです。
なのでちょっと無理な構図で屋内撮りしてみました。



この角度ならスライド先端の輝き具合がバッチリ判ります!
全てのパーツがキラキラになりました!
もうくすんだ亜鉛合金のパーツはありません。

エル・ポトロはもうちょっと続きます。
次回をお楽しみに!

(さらに…)

エル・ポトロ⑥

それではリコイルプラグを加工します。

最初にWA/MGCのプラグの凸部分の平面部分から後端までの寸法を計測します。
加工後に同じ寸法になっていれば取付可能です。
ジャスト31mmです。



それではKSKキラキラプラグを切断します。

まず軽く浅い溝をグルッと一周刻みます。
大まかなマーキングとリューターが滑って走るのを防ぐ処理です。



そして切断を始めますが…ステンレスは硬いです!
すぐにリューターが過熱するので、少し削っては休憩して冷えるのを待ちます。

さすがに同じリューターを二度も壊せば慎重にもなります。
こんな感じで少しずつ削っていきます。



ちなみに削る部品は何かに固定している訳ではありません。手で持ってます。
当たり前ですがヤケドするほど高温になります。とても素手では持てません。
なので濡らしたタオルで部品を巻いて左手で持ち、その手を椅子の肘掛けに置いて右手のリューターで部品を削ります。

「お前、バカなのか?」

と言われそうですが、所詮はミニリューターです。大した加工はできません。
エアガンの部品を削るだけなら濡れタオル作戦で十分です。
まぁミニバイスくらいは持ってた方が良いとは思いますが。

一時間かけて切断しました。
本当にステンレスは硬いです。



硬い材質を切削加工しているだけあって、非常に美しいです。
表面の微細なツールマークに当たった光が虹色に反射しています。
くすんだ亜鉛合金とは比較になりません。

棒ヤスリでバリを落として切断面を軽く整形します。
硬い上に小さく薄く部品なのでゴリゴリ削るのは無理です。

平面部分の厚さを計測します。
一番厚い部分がジャスト2mmです。



続いてWA/MGCの凸部分を切断します。
薄い亜鉛合金なのであっという間に終わりました。



ここから寸法の辻褄合わせを行います。

キラキラ凸パーツを合わせた寸法が31mm以下になるように、切断面をひたすら棒ヤスリで削っていきます。
とはいえ内側のリコイルSPを受ける段差を残す必要があります。
最終的には段差が0.5mmになるまで削りました。



キラキラ凸パーツを合わせた寸法が30.8mmです。
僅か0.2mmですが31mmに収まりました。

言い換えれば「ジーナスの厚さを0.2mm確保した」という事です。



それでは接着します。

このような治具を用意します。
セロテープで養生した板に同じ養生をした木のブロックを固定したモノです。
板の下端とブロックの下面の幅をジャスト31mmにしています。



切断面にジーナスを盛って接着します。

位置決め用にリコイルSPロッドと同じ外径の棒があれば良いのですが、そんな都合の良い棒はありません。
手である程度位置を決めたら治具に乗せ、セロテープで固定します。

キラキラ凸パーツの水平がズレているとリコイルSPロッドが入りません。
上下左右がズレていてもリコイルSPロッドが入りません。
位置決めが最重要ポイントです。



この状態で後ろからブロックに押し付ければ水平が決まります。
真上から金属棒で押せば上下の位置が決まります。
問題は左右の位置決めですが…これはもう色々な方向から金属棒で押して決めるしかありません。

手で触りまくったのでプラグがジーナスまみれですが、どのみち硬化後にハミ出たジーナスを削り落とすので気にしません。



今回使用した工具です。
ミニリューター&切削砥石と棒ヤスリ二種類です。
貧相にも程があります。
「ちょっとはマシな道具使えよ!」と、我ながらそう思います。

ABS樹脂はまだしも、金属加工は毎回非常に苦労します。

以前、この趣味の世界では神の様な存在の「オラガバニスト」あじゃさんにコメント欄で「金属加工にどんな工具を使ってらっしゃるのですか?」とお尋ねしましたら、ご丁寧に「ベローベ社のヤスリを使ってます」とお答え頂いた事があります。

ベローベ社はスイスの高級ヤスリメーカーです。
公式webサイト
品質は超一流ですが価格も超一流です。
長さや目の粗さを自由に選べるので膨大な組み合わせが選択できます。
私が一番よく使う半丸タイプの場合、一番安い「長さ150mm&目の粗さ120mm」でお値段なんと7,530円(税抜)です。







ホームセンターで2,980円の棒ヤスリさえ「高っ!」と思う私はまだまだ修業が足りません…
まぁ私がこんな高級なヤスリを持っても宝の持ち腐れ以外の何物でもありませんが。
道具より先にウデを磨かないといけませんね。

とりあえずジーナスの硬化待ちです。
次回に続きます。

(さらに…)

祝! 1000訪問!

6月に始めたこのブログ、今月で5ヵ月目になりますが…

遂に1,000訪問を超えました!!
凄い! 素晴らしい! パチパチパチ!

実は先週の週明け早々に1,000訪問超えを達成していたのですが、忙し過ぎて記事を書く時間がありませんでした。
なので今夜イッキに書き上げました! 眠いです!



「たった1,000訪問ごときで何を騒いでるんだ?」と思われるでしょうが、こんなちょっとズレたカスタム銃ばかり登場するブログを世間の皆様が1,000回も訪問して頂けるなんて想像もしていませんでした!

訪問して頂いた皆様、ありがとうございます!

次は2,000訪問を目指します!!

そんな一昨日の夜にKSKのロングリコイルSPプラグが届きました。
質感はAnvilと同等レベルです。ステンレスの輝きがとても美しいです。
Anvilの半額とはいえ2,160円もする商品なので良くて当然なのですが。



が、しかし…
長いです。
見た瞬間に「あー、長い」と呟いてしまいました。
そのくらい長いです。

正体不明のリコイルプラグを並べてみます。
当たり前ですが見事にフルサイズとコマンダーサイズでした。



コマンダーを製品化しているのはWAとMGCです。

WAは完成品としてロングリコイルSPガイド仕様のコマンダーを販売した事があるのかどうか不明ですが、過去に「純正カスタムパーツ」としてコマンダー用ロングリコイルSPガイドを販売しています。



MGCはWA以上にバリエーションが豊富なのでとても把握し切れません。完成品としてロングリコイルSPガイド仕様のコマンダーが存在したのかどうかも分かりません。
しかしコマンダー用ロングリコイルSPガイドの存在は確認できました。
ヤフオク終了分の中で見つけました。
純正品なのか社外パーツなのか不明ですが、GM5用との事です。



今回の正体不明なリコイルプラグは、このWAかMGCのどちらかのパーツでほぼ間違いないと思います。

しかし…

マルイハイキャパ4.3用ロングリコイルSPガイドの外径とWAまたはMGC用リコイルプラグの内径が、果たしてここまで見事に一致するのでしょうか!?

まるで両者が同一メーカーのパーツセットの様に違和感なく収まってます。
見た目だけでなく作動も快調そのもので何の問題もありません。

「なにか問題でも?」と言いたげなツラ構えです。



KM企画のハイキャパ4.3用ロングリコイルSPガイドは私が購入して組み込んだので間違いありません。マルイ用パーツです。
コチラです

WAまたはMGC用のリコイルプラグは内径を広げる様な後加工は一切施されていません。完全ノーマル状態です。
コチラは先端の凸部分のさが一定ではなく、上側(バレル側)が0.5mmで下側が0.8mです。こういう所にもWAクオリティを感じてしまいます。



この組み合わせを発見した前オーナーさんは天才だと思います!

既出のネタかも知れませんが、少なくとも私は知りませんでした!
知らずに一年半も持ってた私もどうかと思いますが。

マルイとWAの互換性を検証された方は他にもいらっしゃいますが、ロングリコイルSPガイドまでは試されていませんでした。
こちらのブログです

さて、こちらは実銃M1911A1です。



考えてみればマルイもWAもMGCも同じ銃を採寸してトイガン化しているので、MGC初期の製品はともかく、意図的にトイガン的アレンジを施さない限り寸法が限りなく同じになるのは当然です。
ましてや計測しやすい機能パーツの寸法など、ロット毎の僅かな誤差はあるにせよ、極端に異なる数字が計測される筈がありません。

それでも互換性が限りなく低いのがトイガンなのですが。

とりあえずくすんだリコイルプラグとキラキラのリコイルプラグが揃いました。
いよいよ切った張ったの出番!ですが…ただ両者を切って合体させたのでは、いくらジーナスが強力とはいえリコイルスプリングのチカラには勝てません。
 
で、考えました。
リコイルスプリングのチカラで分裂しない様に合体させる方法です。
 1. キラキラのリコイルプラグの先端を薄くスライスして貼り付ける。
 2. 反対側を切断してリング部分を切り出し、ピンかビスで固定する。

考えはしましたが…2の方法は旋盤がないと不可能なので即却下です。
というか旋盤があれば悩む必要は全くありません。
キラキラのリコイルプラグをコマンダーサイズに切断して、先端を凸形状に成型するだけです。多分あっという間にできると思います。



ド素人が拾ってきた写真なので間違ってたらゴメンナサイ。
「部品をクルクル回転させてジョリジョリ削る機械」という恐ろしく漠然とした認識しか私にはありません。

となると1の先端スライス方法しかありません。
これならリューターと糸ノコと棒ヤスリしか持ってない私でも挑戦は可能です。

もう一度くすんだリコイルプラグを見てみます。



ご覧の通り、先端から2.5mmまではリコイルスプリングを受け止めるために一段厚くなってます。

対してキラキラのリコイルプラグは凸部分が1mmで、リコイルスプリング受け用の一段高い部分が先端から14mmもあります。スライスする切り代には不自由しません。



くすんだリコイルプラグの先端を削り落とすとしても、最低1mmは高い部分を残さないとリコイルスプリングの力を受け止められないでしょう。
最も高い0.8mm地点から1.5mm削り落とせば、厚い部分を1mm残せる計算です。
コチラはただ削り落とすだけなので加工は簡単です。

逆にキラキラのリコイルスプリングは凸部分が1mmありますので、先端から1.5mm地点でスライスすると厚い部分が0.5mmしか残りません。

くすんだリコイルスプリングの全長を変えずにスライスした先端を移植するには、この寸法が多くても少なくてもいけません。
多いとバレルブッシングを押してしまいます。逆に少ないと先端から引っ込むのでカッコ悪いです。



しかし! ジーナスの厚みも忘れてはいけません。
そうなると確実に0.3mmとか0.2mmの世界に突入してしまいます。
円筒形の固いステンレスをこんなに薄くスライスする自信は正直言ってありません。
少し厚めに切って地道にヤスリでジョリジョリ薄くするしかないでしょう。

非常にメンドクサイ加工です。
そこまでしてリコイルプラグをキラキラさせたいか!? 

いやまぁそれは…1,000訪問達成した事だし…

次回に続きます。

(さらに…)