マルゼンVz61スコーピオン①

先月、オクで素敵な銃を買いました。
前々から欲しかった銃ですが、新品は高いのでオクで良さそうな中古をずっと探していました。そして先月中旬に木製グリップ付きの中古を落札しました。

マルゼンVz61スコーピオンです。





キズひとつない非常に綺麗な個体です。
木製グリップにもキズやニスの剥げはありません。
もちろんガス漏れもなく快調に作動します。
とても良い個体をゲットしました!

昔、リコイルが軽過ぎて楽しくないKSC M11A1システム7から強力リコイルがメチャクチャ楽しいマルゼンニューイングラムM11に買い替えた経験があります。
その経験から今回もKSC Vz61ではなく、敢えて今では中古しか手に入らないマルゼンVz61を購入しました。

マック堺さんも「マルゼンVz61が一番イイ!」と仰っていますので、あながち的外れな判断ではないと思います…


スコーピオンと言えば誰もが思い浮かべるのが、映画『マトリックス』のビル襲撃シーンでの二丁撃ちだと思います。
キアヌ・リーブスが使用しているのはオリジナルVz61ではなく、旧ユーゴスラビア共和国でライセンス生産された "ツァスタバM84スコーピオン" です。
『マトリックス』のimfdbはコチラ




映画『ワールド・オブ・ライズ』冒頭の銃撃戦にもスコーピオンが登場します。
リアル派の作品なので迫力満点ですが、痛い拷問シーンも迫力満点なので苦手な方もいらっしゃるかと思います。
ディカプリオが使用しているのがオリジナルVz61です。
『ワールド・オブ・ライズ』のimfdbはコチラ




今回はマルゼンVz61スコーピオンの外装カスタムです。
その前に予備知識として、Vz61スコーピオン(Skorpion Vz61)が旧チェコスロバキア社会主義共和国で開発された経緯とその後の遍歴を簡単に記載します。
参照webサイト


1950年代に内務省が "スコーピオン" のコードネームで国家警察や保安機関、諜報機関で運用する短機関銃の研究に着手しました。そして1958年に各研究機関に対して具体的な仕様が提示されました。

 ・ 7.65mmブローニング(.32ACP)仕様
 ・ 重量 1kg~1.2kg
 ・ ストック収納時の全長 250mm
 ・ ストック伸長時の全長 440mm
 ・ グリップの長さ 150mm
 ・ 有効射程距離 100m
 ・ 8~10連と20~25連の二種類のマガジンが使用可能
 ・ 拳銃としても運用する事から、連射以外に単射機能を有する事

この "スコーピオン" プロジェクトには国防省も深く関与しており、開発中のスコーピオンが旧チェコスロバキア軍に制式採用される事が早々に決定していました。

1959年にブルノ兵器廠の銃器技術者Mlroslav Ryber氏の研究チームが開発した短機関銃が正式採用されました。重量やストック伸長時の全長が内務省の定める仕様を超えていましたが、それを上回る優れたデザインと性能を有していたために問題視されませんでした。
1961年にチェコ兵器廠国営会社(Ceska zbrojovka a. s. Uhersky Brod)で生産が開始され、"Vz61"(61年式)の名称で旧チェコスロバキア軍に制式採用されました。



この時、旧チェコスロバキア共産党中央委員会が国家警察特殊部隊を含むすべての法執行機関にスコーピオンを配備する事を決定しました。
これは共産党の権力拡大により内務省の影響力が低下したのが原因です。そもそも内務省はスコーピオンの調達数を12,000挺と定めていましたが、それを遥かに上回る数が生産された結果、本来の開発目的である "内務省特殊部隊が極秘任務で使用する特殊武器" というスコーピオンの出自が曖昧になり、その存在が共産主義諸国に広く知られる事になりました。

○ Vz61
 オリジナルスコーピオン。7.65mmブローニング(.32ACP)仕様。
 アッパーレシーバーはプレス加工、ロアレシーバーは切削加工で製造。
 表面仕上げはブルーイング。
 木製グリップ。
 内務省の仕様に従い、10連マガジンと20連マガジンの二種類が存在する。



約100,000挺を生産し終えた1966年に、Vz61の生産は一旦終了されます。
そして7.65mmブローニング(.32ACP)の非力さを解消するために様々な口径が検討され、数多くの試作モデルが造られました。

○ Vz64
 9×17mmブローニング(.380ACP)仕様。マガジンはストレート形状。
 バレルにコンペンセイターカットが施される。
 輸出を考慮して1968年に試作されたが消滅した。

○ Vz65
 9×18mmマカロフ仕様。マガジンはストレート形状。
 当時の共産主義国で一般的な9×18mmマカロフ仕様に更新する目的で1968年に
 試作されたが、既に全軍に配備されていたVz61を更新するには至らず消滅した。

○ Vz68
 9×19mmパラベラム仕様。マガジンはストレート形状。
 強力な9mmパラベラム弾に対応するため、ボルト重量が倍になり、本体の寸法も
 大型化された。
 リアサイトは250m仕様。
 スリングスイベルと木製ストックが装備された唯一のモデル。
 輸出を考慮して1968年に試作されたが消滅した。



1970年の11月にMlroslav Ryber氏が心臓発作で亡くなりますが、ブルノ兵器廠からチェコ兵器廠国営会社に移籍していた彼の研究チームはVz61の改良を続けます。

1973年にVz61の生産が再開されます。
この時に表面処理がブルーイングから通称『チェコグレー』と呼ばれるグレー色のエナメル塗料の焼付塗装に変更されました。



1973年~1976年に約55,000挺が生産され、主に内務省に納入されました。
1978年~1979年に生産された30,000挺が旧ユーゴスラビア共和国に輸出されると共に、同国にライセンス生産権が付与されます。
同国では "ツァスタバM84スコーピオン" の名称でライセンス生産されました。
表面処理は黒色の焼付塗装でグリップは黒色樹脂です。



1979年にオリジナルVz61の生産が終了されます。
ここまで記した数字を合計すると1961年~1979年までの総生産数は約185,000挺になりますが、約210,000挺とする資料もあります。

1980年代初頭に故Mlroslav Ryber氏の研究チームが銃器技術者Jlri Cermak氏をアドバイザーに招致して開発したのが "Vz82" です。
オリジナルVz61の改良と近代化の集大成と言えるモデルでしたが大量生産には至らず、少数の試作品が製造されて消滅しました。

○ Vz82
 9×18mmマカロフ仕様。マガジンはストレート形状。
 ロアレシーバーを切削加工からプレス加工に変更。
 ストックに伸縮機能("telescoping element" 内容不明)を追加。
 トリガーメカニズムを簡略化。
 コッキングノブを左右入替可能なデタッチャブル方式に変更。
 黒色樹脂グリップ。


 
1989年のビロード革命で共産党政権が崩壊します。
チェコ兵器廠国営会社は再度Vz61の改良モデル "Vz61E" を開発しますが、7.65mmブローニング(.32ACP)が既に過去の存在となっていたために軍/法執行機関に受け入れられず、またもや消滅してしまいます。

○ Vz61E
 7.65mmブローニング(.32ACP)仕様。
 マガジンはカーブ形状。
 黒色樹脂グリップ。
 Vz61の近代改修モデルとして1992年~1994年に少量生産されたものの、軍/法執
 行機関に受け入れられず消滅した。



1991年に民営化されたチェスカーズブロヨフカ社(CZ)は民間市場に活路を見出そうとしますが、このような小型フルオート短機関銃が認可される筈もなく、1995年にチェコ共和国議会によって民間市場への販売が禁止されてしまいます。

そのためCZとCZ-USAは、7.65mmブローニング(.32ACP)のオリジナルVz61からストックを取り外してフルオート機能を廃した "Vz61ピストル" を民間市場で販売する事になりました。


またもや長文になってしまいましたが、今回のカスタムは予備知識がない「はぁ?」となってしまう内容なので、長文の英語webサイトを解読しながら可能な限り分かり易い文章を書いたつもりです。

vz61の表面仕上げのバリエーションを見てみます。
まずはブルーイング仕上げのVz61です。




皆様が「スコーピオン」と聞いて頭に思い浮かべるのは、このブルーイングされた荒々しい鋼鉄の地肌を持つVz61だと思います。実際、スコーピオンの外装カスタムはHW樹脂のブルーイングやガンブルー塗装で青い鋼鉄の質感を再現するのが一般的です。

次はチェコグレーのVz61です。



実射動画です。
この動画は「銃を美しく魅せる」撮影手法が徹底されているので、とても美しいVz61の姿が観られます。すべての実銃動画がこういう手法だと嬉しいのですが…


メカニズム解説動画です。
Vz61の形状やメカニズムの解説にチェコグレーのVz61が使用されています。アップの場面が多いのでライトグレーの表面仕上げが一目瞭然です。
始めてご覧になる方は「え!?」と驚かれるのではないでしょうか?


そして黒色のツァスタバM84スコーピオンです。



写真ではブルーイング仕上げに見えなくもないM84ですが、動画を観ればブルーイングともチェコグレーとも異なる漆黒の焼付塗装が施されているのが一目瞭然です。
一番ドスの効いたVz61とも言える独特の風貌です。


この三種類のどれを再現するのかと言えば…

チェコグレーのVz61です!
この「チェコグレーのVz61」をエアガンで再現するのが長年の夢でした! 

なぜチェコグレーに拘るのかといえば…

数年前までBUCK-TICKライブで大阪を訪れる度に、シカゴレジメンタルス大阪店さんで無可動実銃を見せてもらっていました。あの鉄と油の臭いが漂う独特の空間は、一度ハマると何度でも足を運んでしまう魅力があります。



しかしそこはシカゴさん。最も安価で頑張れば私でも買えそうな10万円以下の商品は、ブルガリア製AKなどの東欧製AKを除けばスコーピオンしかありません。なので毎回東欧製AKとスコーピオンを見せてもらうのですが、シカゴさんに展示されているスコーピオンのほとんどがチェコグレーなのです。

シカゴさんのwebサイトです。
チェコグレーのスコーピオンはコチラ

10万円以下とはいえ75,600円(税抜)は高くて手が出ません。毎回「今度は買います!」と言って帰るのですが、なんだか冷やかしみたいで行き難くなってきたのでここ数年は行っていません。

という訳で「念願の無可動実銃スコーピオンを買った気分」に浸るために、マルゼンVz61スコーピオンを外装カスタムしてチェコグレーのVz61を再現します!
理由がショボ過ぎて申し訳ありません…

とはいえ、ただ外装をチェコグレーに塗装するだけでは芸がなさ過ぎます。
今回はアタマをもうひと捻りしてみました。
今までとは少し傾向が異なる面白いカスタム銃になると思います。

長くなったので今回はここまでです。
次回に続きます。




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