マルイG17改G17Gen5⑮

さて、問題のアンビスライドストップレバーですが…

「右側のレバーだけを押し下げてもスライドストップが解除されない」のは、どうやらステンレス板の厚さが原因ではない様です。

本体に組み込んだ状態ではガタもなく綺麗に上下に動きます。
レバー部分に後方から圧力が加わった状態で右側のレバーを押し下げた時にだけ、アンビスライドストップレバー全体が右に傾いてしまいます。

アンビスライドストップレバーは実物と全く同じ形状で製作しています。
マガジンフォロアーに持ち上げられる時も、持ち上がったレバーを指で押し下げる時も、レバーの断面方向に全てのチカラが加わる構造です。
材質と厚さは異なりますが、力学的な原理は同じです。



僅か0.5mm厚のステンレス板とはいえ、ステンレスはステンレスです。断面方向に指で押す程度のチカラを加えた位ではビクともしません。平面方向にチカラを加えるのとは訳が違います。
右側のステンレス板が「縦方向に」曲がる事などあり得ません。

では、なぜアンビスライドストップレバー全体が傾くのかと言えば…
原因は軸穴の寸法差です。

トリガーピンの外径2.5mmに対して左側の軸穴は3.5mm、右側は3mm。
左側で1mm、右側で0.5mmの寸法差です。
コレには理由があります。





スライドストップ形状を整形した段階では、両方ともピッタリ内径2.5mmでした。
トリガーとスライドストップバネを取り付けてインナーシャーシに組み込んでも、作動に問題はありません。

しかし、いざインナーシャーシをフレームに組み込もうとすると…どうやってもトリガーピンが入りません。何がどこでどう干渉しているのか全く判りませんでしたが、軸穴を拡大する以外にトリガーピンを貫通させる方法がありませんでした。



この写真の状態にするために左右の軸穴を切削ビットで削って広げました。
こんな強引な方法でトリガーピンを貫通させているので、組み込んだ状態でガタがないのは当然です。
軸穴付近をピンセットでつまんで動かしても、ほとんど動きません。

しかし「後方から圧力が加わった状態で右側のレバーだけ押し下げる」という想定外の操作を行うと、それまで隠れていた寸法差(ズレ幅)が顔を出し、左側が1mm上がると共に右側が0.5mm下がります。
コレが傾きの元凶です!①

しかしこれだけが原因ではありません。
左右の隔壁に隙間(傾き代)がないと、物理的にアンビスライドストップレバー自体が傾く事はできません。





黄色い丸で囲った部分に隙間があります。
加工の際にちょっと削り過ぎました…
コレがアンビスライドストップレバー自体が右に傾く原因です!②

上記①と②の合わせ技で傾きが発生していました。
原因が判明したので、対処方法を考えます。

軸穴は現状の寸法でないと組み込めません。コレは修正不可能です。
しかし左右の隙間をジーナスで埋める事は可能です。
ガッツリ極限まで間隔を詰めて、傾き代をゼロにします!





硬化後に削って整形するので、少々盛り過ぎても問題ありません。
ガンガン盛り付けます。

同時にアンビスライドストップレバーもジーナスで補強します。
いくら断面方向にしかチカラが加わらない構造になっているとはいえ、0.5mm厚のステンレス板はちょっと薄過ぎです。
主に曲げ加工を行ったR部分中心にジーナスを盛っていきます。

トリガーを巻き込んでいるR部分がタイトなので、トリガーの赤丸で囲った部分を削り落とします。





下の写真の赤い丸で囲ったR部分は、ハンマーを起こすとトリガーバーが接触寸前の位置まで前進してきます。
現状ではギリギリ接触していません。
この状態では内側にジーナスを盛る事ができません。



逆に外側には隙間があります。
このR部分だけは外側にジーナスを盛って補強します。

この先に1mm厚のGUARDER製スライドストップレバーを取り付けています。
つまり厚さ1mm以内であれば、レバーの外側全体にジーナスを盛ってガッチリ補強する事が可能です。
ガッツリ盛って補強します!



盛り付けが終わるとこのようになります。
インナーシャーシと同様に、後から削る前提でガンガンに盛っています。





盛り付け後はセロテープで養生した板の上に置いて丸一日乾燥させます。
説明書には6時間で硬化すると書かれていますが、急いでいる訳ではないので、完全に硬化するのをジックリ待ちます。



新緑の時期は気持ちが良いです。
動物も植物もすべてが活き活きしています。

丸一日経ちました。
ジーナスがカチンカチンに硬化しています。

まずアンビスライドストップレバーを整形します。
コチラを完成させてから、インナーシャーシを削って隙間の調整を行います。
鉄工ヤスリや切削ビットでサクサク削れるのがジーナスの良いトコロです。





黄色く囲った部分を削って整形しました。
決して見栄えが良くはありませんが、機能最優先です。
外側から見えない部分なので気にしません。



ただジーナスが硬化する際に収縮?したのか、それとも削り加工の際に誤ってチカラを加えてしまったのか、なんとなく右側のレバーが少し内側に傾いています。
コレが原因で後で地獄の目に遭うのですが…

この形状に合わせてインナーシャーシを削ります。
超慎重に削っていきます。









隔壁の形状がガラリと変わりました。
アンビスライドストップに合わせて削った結果です。
まるで別物の様になりました。

それでは組み合わせて隙間をチェックします。
まずは左側です。



黄色で囲った部分の隙間がなくなりました。
写真ではスライドストップバネを外していますが、本当にバネ一本組み込むだけの隙間しかありません。
事実上、隙間はゼロです。

次は右側です。





コチラも隙間はほぼゼロです。
レバーを下げた状態から跳ね上げた状態まで、隙間はゼロのままです。
このためにインナーシャーシ右側の隔壁を抉る様に削りました。





これだけ隙間をタイトにしていますが、レバーはスムーズに動きます。
そして傾きは一切発生しません!
成功です!



すべてのパーツをフレームに組み込みます。
そして最終チェック…と、ここで問題が発生しました!

先に述べた「右側のレバーが少し内側に傾いた」のが原因で、右側のレバーとトリガーバーと干渉していまい、アンビスライドストップレバーがスライドストップバネのチカラで定位置に下がらなくなりました。

今さら造り直す訳にもいきません。
双方のレバーを削ります。



右側レバーの接触面はかしめた真鍮クギを削り落とし、0.4mm厚まで削りました。
真鍮という金属は強力な結合力がある様で、最初に製作したテストピースを削って実験してみると、かしめた部分を完全に削り落としているにも関わらず、引っ張っても叩いてもどうやっても部品が取れませんでした。
なので安心して削りました。



コチラはひたすら削り倒して0.9mm厚まで削りました。
熱くて持てないのでメカニクスグローブで持って削りましたが、それでもヤケドしそうな熱さで持っていられません。
補強リブが入っているとはいえ、1.5mm厚のスチール板を0.9mmまで削ると、両端を持って曲げると少し反ります。
これ以上は削れません。



ようやくギリギリ触れるか触れないかの隙間で避ける事ができました。
スライドストップバネのチカラでスムーズに定位置に戻ります。
レバー部分がキズだらけになりましたが、機能最優先という事で気にしません。

加工が終われば黒染めします。
外側から見えないパーツですが、酸化防止のために黒染めは欠かせません。



改めてすべてのパーツを組み立てます。
ジーナスで肉厚を増やしたアンビスライドストップレバーが頼もしいです!







フレームを完成させた状態です。
左側のレバーに後ろから指で押して圧力をかけた状態で右側のレバーだけを押し下げても右に傾かず、両側のレバーがストン!と真下に下がります。
意地悪く左右のレバーを捻っても傾きは発生しません。

問題解決です!

コレで本当にスライドが帰ってくるのを待つだけになりました。
のんびりDVDを観ながら連絡を待つことにします。

次回に続きます。




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