ハドソンデザートイーグル.44 カッタウェイ⑥

それではスライド加工を始めます。
カットモデルは「どこをどうカットするか」が最重要ポイントです。バレルは単純に真っ二つにしましたが、スライドとフレームはそう簡単にはいきません。

デザートイーグルのスライドはベレッタ系とよく似ています。
スライド上面が切り取られて、そこにバレルが装着されています。



フレーム内にサブマシンガンの様なリコイルスプリングが組み込まれています。
スライドとフレームの前方右側を切り落とせば、この特徴的なリコイルスプリングが丸見えになります。しかし真っ二つにずるとガスピストンやリコイルスプリングの保持が難しくなるので、カットするのは前方右側の側面部分だけにします。

スライド後方のポイントはセフティ機構とボルトです。
セフティブロックがトリガーバー後方の突起を押し下げてハンマーを落ちなくする実銃の構造が忠実に再現されています。さすがモデルガン! リアルです!
コレは見せたい部分です!





そしてボルトです。
ハドソンデザートイーグルも外側から見えるロッキング部分だけは忠実に再現されていますが、むしろ見せたいのはブリーチ内部に組み込まれたボルト本体とファイアリングピンです!
カッタウェイモデルの製作でファイアリングピンの可視化は絶対に欠かせません!
コレは絶対に実現したいです!





ハドソンデザートイーグルのボルト部分です。
上の実銃写真と見比べても全く見劣りしません! 非常にリアルです!
法規制の関係でファイアリングピンは白いPP樹脂製ですが、エジェクターとエキストラクターとスタビライザーは亜鉛合金製です。もちろん発火式モデルガンなのですべてスプリングが内蔵されていて実銃同様に機能します!
あくまでも外側から見える部分だけですが…



ファイアリングピンが見える様にカットするとなると、ボルト部分を真っ二つに切断しなければいけません。そうすればブリーチ内に収納されたボルト本体も見せる事ができますが…セフティブロック部分は残さなければいけません。

色々考えた結果、スライド後方のカット方法は次の方法になりました。

 ・ ボルト部分を真っ二つにカットしてファイアリングピンを製作
 ・ ボルトの根元から斜めにカットしてボルト本体を製作
 ・ スライド後方下部を浅くカットしてセフティ機構を露出

この方法ならファイアリングピンとボルト本体とセフティ機構をすべて見せる事ができます。最小限の加工で最大限の効果が得られる方法です!

スライドを分解します。
ガスピストンはネジ込まれているだけなので、簡単に取り外せます。



次にストライカー(ファイアリングピン)を押し込んでストライカーストップ(ファイアリングピンプレート)を下側に抜き取ります。ストライカーの後方にPP樹脂製のファイアリングピンがあり、スプリング圧でストライカーが保持されています。



次にセフティ一式を取り外します。
ハドソンデザートイーグルのセフティレバーは完全に左右対称なので、左右どちらから先に外しても構いません。



ここで実銃のセフティレバー取付部分を見てみます。
もしセフティレバー取付部分が実銃と異なる形状にアレンジされていれば、実銃と同じ形状に加工しなければいけません。同じ形状であれば加工する必要はありません。

実銃の分解動画でセフティレバー取付部分の形状を比較すると…
なんと全く同じ形状でした! さすがハドソン! こんな見えない部分まで忠実に再現しているとは驚きです!




取り外すとこんな感じです。
セフティブロックの中央にファイアリングピンが通過するための切り込みが入っていますが、コレも実銃と同じです。この構造のために、先にストライカー(ファイアリングピン)を取り外さないとセフティブロックを抜き取る事はできません。



続いてブリーチ底面の二本のイモネジを0.9mmと1.5mmの六角レンチで取り外します。この二本のイモネジを抜くとボルト部分のすべての部品が取り外せます。
非常に合理的な構造です。



エジェクターとスタビライザーを引き抜きます。
イモネジを抜いた瞬間にバネ圧で飛び出す…事はありません。ピンセットで引き抜く必要があります。





そしてボルト本体を引き抜きます。
本当に外側から見える部分しか造形されていません。もう少し奥の方まで再現されていれば今回のカスタムは格段に楽になっていましたが、そんな都合の良い形状にはなっていません。



エキストラクターはボルト本体に組み込まれています。
ピンを抜いて取り外します。





最後にファイアリングピンを撤去します。
ココまで分解するとファイアリングピンの後端が目視できます。
黄色い丸で囲んだ白い部品がファイアリングピンです。
写真の時系列がすっ飛んでいますが気にしないで下さい。



モデルガンのファイアリングピンは取り外す事ができません。
そこで細い棒を挿し込んでファイアリングピンを後方から押し出します。これ以上出てこない限界までファイアリングピンを露出させます。



そして根元に切り込みを入れて折ります。
どうやっても抜けない構造なので、こういう方法で除去する以外にファイアリングピンを撤去する事はできません。
しかし折った部分から後ろのファイアリングピンはブリーチ内に残ります。コレばかりはどうしようもありません。



コレでスライドの分解は完了です。
ボルト部分がスカスカになりましたが、やっぱりモデルガンはリアルです! 実銃に存在する部品がすべて正しく再現されているのはモデルガンならではです。こういうトコロはエアガンは遠く及びません。
ココから写真の時系列が元に戻ります。



いよいよ加工開始です!
まずサインペンでカットするラインを描きます。



スライド前方を切り落とします。
前方と後方を少し切るだけの簡単作業です。デザートイーグルだからこそ成せるワザです。コレが1911系だと大変な作業になります。



続いてスライド後方を切断します。
実際に切るラインはこういう感じになります。
リューターでは歯が立たないのが判っているので、手ノコでゴリゴリ切断します。





完全に切断した状態です。
前方は予想以上にブリーチが丸見えになりましたが、下側はスカスカです。
デザートイーグルのスライドはリコイルスプリングを収納したフレーム前方を完全に覆い隠す形状です。そのためブリーチ底面からスライドレールまでの距離が非常に長くなっています。





この状態でボルトを装着して、切断ラインを描きます。
ボルト部分は亜鉛合金製の外装と樹脂製の2ピース構造です。両者は別々に切断する必要があるため、切断ラインを描いた後で亜鉛合金製の外装を外しておきます。



それでは樹脂製のボルト部分を真っ二つに…と手ノコを引いた瞬間に、なんとブリーチが外れました! ブリーチを固定していた接着剤が剥がれた様です。

「モデルガンのブリーチがこんなに簡単に外れていいのか?」と戸惑いましたが、違法改造をする訳ではないので問題はありません。
しかし「モデルガンのブリーチは外れない」と思い込んでいただけに驚きました!





スライド内に組み込まれた状態より、ブリーチ単体の方が遥かに作業し易いです。
先端のボルト部分を切断します。
写真の時系列がアレなのでファイアリングピンまで真っ二つになっています。



この状態でスライドに組み込み、斜めにカットするラインを決めます。
そしてザクッと斜めに切断します。



切り終えれば再びスライドに組み込みます。
コレでスライドとブリーチのカットが終わりました!



亜鉛合金製のボルト外装を組み込んでカットするラインを確認します。
この状態を見て思わず「カットしなくても良いかも?」と思いましたが、ボルト外装を真っ二つにしないとファイアリングピンを可視化する事ができません。



ボルト外装を切断します。
チカラを入れ過ぎてエキストラクター取付部分を変形させてしましましたが、コチラ側はスライド右側なので使用しません。なので変形しても問題ありません。



切断したボルト外装を装着します。
コレでスライドの切断作業は終了です!





銃を組み立てて仮組します。
なかなか良い感じです! 一段とカッタウェイモデルらしくなりました!
バレルが製作途中なのはご愛嬌です。単調なバレル製作にちょっと飽きてきていたので、目先を変えてスライド製作も同時進行していたのでこういう写真になりました。

カットされたボルトとバレルのロッキング部分がカッコイイ!
トリガーバー後方の突起もちゃんと見えています!



ココからカットした断面の処理と「本来ある筈だが造形されていない」ボルト本体を製作します。基本的には盛っては削り…の作業ですが、ボルト本体の製作は工夫が必要です。存在しないモノなので、何かから流用しないと綺麗に製作できません。

次回から金属パテとの壮絶な格闘が始まります。
お楽しみに!




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