ハドソンデザートイーグル.44 カッタウェイ①

今年最初のカスタムはタイトル通り!
ハドソンデザートイーグル.44 HW樹脂モデルガンをぶった切ってカッタウェイモデルを製作します!
前回「なかなかインパクトのあるカスタム」と言ったのはこの事でした!

我ながらインパクト満点だと思います。何より(私がweb検索した限りでは)個人の方で「カッタウェイモデル造ったよ!」という記事を書いてらっしゃる方を見かけなかったのが製作の決め手でした。



実は私、カッタウェイモデルが大好きです!
ショットショージャパン2018秋の会場で宮崎商店さんが展示販売してらっしゃた無可動実銃AKMSのカッタウェイモデルを持たせてもらって大興奮しました! しかもカッタウェイモデルとは思えない破格の97,200円(税込)! 頑張れば買えてしまうお値段にビックリしました! もちろん買えませんでしたが…

※ ショットショーの記事中でAKMSの値段を「86,400円」と書いていますが、コレはショットショー特別価格です。本来の価格は97,200円です。

このAKMSはコチラです



カッタウェイモデルはハートフォードさんが九四式自動拳銃とモーゼルHScを販売していますが、現在は両者共に在庫切れの様です。
コチラです

ショップカスタムでは旭工房さんが色々なモデルガンをカッタウェイモデル化してらっしゃいます。
コチラはハートフォード製テキサスパターソンのカッタウェイカスタムです

個人?の方が製作したカッタウェイモデルがない訳ではありません。
現在ヤフオクでホビーフィックスM1911A1が出品されています。お手製のベロア敷きガンケースまで製作した力作です!
コチラです



しかし…

こういう既製品はカッタウェイモデルであると同時にダミーカート式モデルガンとしても楽しめる様に作動機能を残してあります。商品としては正しい方向性だと思いますが、欲張りな私は「カット部分が少なくて満足感がイマイチ」と感じてしまいます。

私の理想のカッタウェイモデルです!
ここまで大胆にカットしてくれれば大満足です!
コチラです



まだ地元のガンショップがバリバリ商売していた頃に、鈴木製作所M1911A1モデルガンとこの画像のプリント写真を店に持参して「コレを製作して!」と依頼した事があります。その時の呆気にとられた店長の顔と「え、あぁ、まぁ…予定は未定な依頼という事なら、まぁ…」という返事は今でも覚えています。
結局、お店が閉店したので預けっぱなしのまま立ち消えになりましたが…

そんな経緯もあって、たまたまオクで入手したハドソンデザートイーグル.44の情報を調べると「発火モデルでありながらも内部構造が実銃にかなり忠実」という事が判ったので「それなら長年欲しかったカッタウェイモデルを製作しよう!」と思いました。ま、簡単に言えば「勢い」です。


デザートイーグルの内部構造はこうなっています。
コチラです



意外とシンプルです。パッと見は1911系と同じ様に見えます。
しかし1911系その他の拳銃とは異なるデザートイーグル特有の機構が存在します。

ガスオペレーテッドシステムです。

デザートイーグルが大口径マグナム弾を発射するためにアサルトライフル等と同じガスオペレーテッドシステムを搭載している事は有名ですが、具体的に「デザートイーグルのガスオペレーテッドシステムはどこがどうなっているの?」かを判り易く解説した情報はあまり見かけません。単に「ガスオペレーテッドシステムを採用している」とサラリと書かれただけでは具体的な事は何も判りません。
例えばコチラ

そこで探してみると…物凄く判り易いCG動画を見つけました。
コチラです


動画を観ると作動プロセスが一目瞭然です。
銃腔の真下に設けられた細いガスルートに火薬の爆発で生じたガスが流入してスライド先端のガスピストンにブチ当たり、その勢いでスライドが後退して排莢と次弾装填を行う構造になっています。



こんなトコロにガスルートが存在していた事自体知らなかったので驚きました!
そしてデザートイーグルのエアガン/モデルガンのスライド先端に必ず付いている突起がガスピストンで、コレが物凄く重要な役割を果たしている事も判りました!

実物のガスピストンは円筒形で先端が凹形状になっています。確実にガスを受け止めてスライドを後退させるために必要不可欠な形状です。



しかしハドソンデザートイーグル.44のガスピストンが円筒部分の両側が切り取られた小判型になっています。先端の凹形状も再現されていません。
ガスピストンの再現度は低いです。





以前製作したエングレーブ入りマルイデザートイーグルで確認したトコロ、マルイのガスピストンもハドソンほどではないながらも円筒部分の両側が切り取られています。
同様に先端の凹形状の再現もありません。



この「円筒部分の両側を切り取る」のは実物ガスピストンの僅かな両側の切り取りを再現したモノだと思われますが、実物は工具でねじ込むためにこういう形状になっているのであって「デザイン」ではありません。



マルイのガスピストンはそれなりに似ていますが、ハドソンのガスピストンに至っては先端部分が完全な小判型になっています。これでは肝心のガスピストンの役目を果たせません。ガスが両側に逃げてしまいます。
WAのガスピストンは確認不能です…

ガスピストン自体はスライド閉鎖状態ではそんなに目立つ部品ではないので、特にリアル化しなくても良いかな? と思います。



問題はガスルートです。
デザートイーグル最大の特徴であるガスルートを再現する事が、今回のカスタムの最重要ポイントであり「見せ場」です!

しかしガスルートに関しては正直よく判らないトコロがあります。

もう一度デザートイーグルの断面図を見てみます。
赤い線で囲んだ部分にガスルートが設置されています。ガスルートのスタート地点は薬莢内で爆発した火薬のガスが噴き出す薬莢先端の真下にあります。ガスの圧力をダイレクトに引き込める理想的な場所です。

【図面1】




しかし1985年にIMI社が二度目の特許を取得した図面には、ガスルートが銃腔後端まで真っ直ぐ一直線に描かれています。図面ではガスルートのスタート地点が薬莢の後端になりますが、これではガスを効率的に引き込めるとは思えません…

【図面2】


実はデザートイーグルのバレルにはこの図面と同じ場所にガスルートのスタート地点が存在します。「それでは【図面1】は間違いなのか?」となりますが…間違いではありません。他の断面図を見てもガスルートは【図面1】と同じ様に描かれています。

ココがややこしいというかよく判らないトコロです。



さらにややこしい事に、デザートイーグルにはガスルートの位置もバレル自体の構造も異なる新旧二種類のバレルが存在します。
コチラです

デザートイーグルの新旧バレルを詳しく解説した動画もあります。
コチラです


★ 1982年~2005年
  製造会社 1982年~1985年 IMI社(イスラエル)
       1985年~1989年 サコーディフェンス社(米国)
       1989年~2005年 IMI社(イスラエル)
  1ピース構造バレル
  ガスルートは銃腔後端6時位置





★ 2005年~現在
  製造会社 2005年~2009年 MRI社(米国)+IWI社(イスラエル)
       2009年~現在       MRI社(米国)
  2ピース構造バレル
  ガスルートは銃腔後端8時位置





動画内では「この中にネジがある」「ネジの奥にガスルートがある」と説明されています。最初にこの動画を観た時は「?」と思いました、が…

webで色々調べていると、銃腔から真下に向けてガスルートを掘ったと思われる穴が空いているバレルを撮影した動画を見つけました。こんなトコロからガスが噴き出すと大変なので、この穴の奥にもネジが存在すると思います。

ここでピン!ときました。



デザートイーグルのガスルートに関する私の解釈です。
あくまでも私見なので100%正しい自信はありませんが、概ねこういう事なのなのだろうと思います。

・ 当初の設計ではガスルートのスタート地点は銃腔後端だが、この位置では十分なガス圧が得られずに作動不良が頻発した。

・ そこでスタート地点を爆発した火薬のガスが噴き出す薬莢先端の真下に変更したが、製造工程は変更せず、不要なガスルートはネジを圧入して閉鎖した。



なぜ製造工程を変更しなかったのかは不明ですが…
デザートイーグルのバレルは切削加工で製造されています。チャンバーの奥まった場所から真下に細い穴を掘るよりは、後端から真っ直ぐ掘り進めて不要な部分をネジで閉鎖する方が加工し易いと思います。

デザートイーグルの製造工程はコチラです
美人なお姉さんがMRI社を訪問して取材しています


組立工程を体験取材している場面です。
こんな美人なお姉さんと一緒にテッポー弄りをしてみたいモノです…



余談はさておき、動画の冒頭にデザートイーグルの図面が登場します。
図面上にはガスルートが銃腔後端まで真っ直ぐ一直線に描かれていて、銃腔から真下に降りるガスルートと銃腔先端に伸びるガスルートがT字路になっています。
黄色い線で囲んだ部分です。



この図面からも「不要なガスルートをネジで閉鎖している」事が推測されます。
あくまでも私見ですが…

デザートイーグルのエアガン/モデルガンはすべて2ピース構造バレルを再現しています。そうなると銃腔後端8時位置のガスルートを再現する事になりますが、6時位置のガスルートを真っ直ぐ一直線に再現する方が簡単そうです。

しかしスライドが閉鎖状態だとガスルートのスタート地点が見えません。ホールドオープン状態であれば6時位置に穴を開けてリアル化する価値がありますが、今回のカスタムはスライド閉鎖状態のカッタウェイモデル製作です。敢えてネジで閉鎖された区間まで再現する意味がありません。それに「ネジで閉鎖されている」のはあくまでも私の個人的な解釈なので100%正しいとは言い切れません。

今回はガスルートとして機能している部分だけを再現します。



ここで…
最初に記事をUPした時に "Gas Blade Ring" という言葉が指す内容を誤って記載していたので訂正します。
"Gas Blade Ring" はチャンバー部分に圧入されたカラーではなく、カラー先端とバレルの接合部分に黒いリング状に焼き付いたカーボンの焦げ跡の事でした。
リボルバーのシリンダーギャップから吹き出すガスによる "Flame-Cutting" と同じ様な現象を動画内で "Gas Blade" と表現していた様です。



リボルバーのシリンダーギャップと "Flame-Cutting" はコチラです



それでは気を取り直して…
カスタム開始です!

まずは通常分解です。エアガンとは比較にならない硬いスプリングを引いたりテイクダウンレバーを「カチン!」と操作するのが物凄く新鮮で楽しいです!
「銃を弄っている感」はモデルガンの圧勝です!



いつもは最初に完全分解してからカスタムしますが、今回は特殊なカスタムなので一箇所を完全に加工し終えれば次の箇所を加工して…という手順で作業を行います。

まず最初はバレルの加工です。
バレルは完全に真っ二つに切断します、が…
リューターの切断砥石で切ろうとしましたが、HW樹脂が物凄く硬くて切れません!
時間を掛ければ切れますが、リューターが焼き付きそうなので止めておきます。



どこかで「ハドソンデザートイーグルのHW樹脂はガラス繊維が混入されているのでブルーイングできない」という記事を見た事がありますが…ナイロン樹脂(HW基材)にガラス繊維を混ぜると『ガラス繊維強化ナイロン樹脂』という頑強な樹脂になってしまいます。GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)の親戚みたいなモノなので硬くて当然です!
コチラです

仕方なく手ノコで切断します。
クソ寒いので完全防寒してゴリゴリ切ります。さすがのハドソンデザートイーグルも手ノコを使えばサクサク切れます。





初めてのモデルガンカスタムなので「え!」と驚く事ばかりです。とはいえ新しいコトに挑戦するのは楽しいです!

この後、真っ二つに切断したバレルの加工を行いますが…
想像以上に大変です。
エアガンとモデルガンは根本的に異なるモノだという事を認識しました。

次回に続きます。




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