いよいよジェリコの最終仕上げです。
本体はウージーイーグルになりましたが、ハミ出しマガジンはそのままです。
これではカッコ悪すぎるので、対策してカッコ良くします。
実銃ジェリコのマガジンは、一般的なフラットボトムのマガジンとポリマー製大型バンパーが装着されたマガジンの二種類が存在します。
ハドソンがモデルアップした最初期型はフラットボトムマガジンだけでしたが、早い段階で大型バンパー付マガジンが追加されています。
このマガジン追加は米国市場での販売と関係があります。
① ハンガリー警察で1995年~2000年に正式採用されたジェリコです。
スライドストップは第二期に進化してますが、マガジンはフラットボトムです。
参考webサイト
② ウージーイーグルです。スライドストップが同じ第二期です。販売期間も1997年~1998年なので完全に一致します。つまり①②両者は同じジェリコの刻印バリエーションといえます。
しかしウージーイーグルのマガジンは大型バンパー付きです。
私が調べた限り、フラットボトムマガジンのウージーイーグルは存在しません。
つまり1997年にモスバーグ&サンズ社が「ウージーイーグル」として販売する際に、米国市場の需要に合わせて大型バンパーを新規開発したのではないか?と推測されます。
そして現行型のベビーイーグルⅡではフラットボトムマガジンが消滅し、すべてのモデルが大型バンパー付マガジン標準装備になりました。
前置きが長くなりましたが、要するに「ウージーイーグルの時代に既に存在していた大型マガジンバンパーを再現してマガジンのハミ出しを隠す」作戦です。
時代考証を行うと長文になってしまいますが、史実と一致しないヘンテコ銃を造ってしまうのは嫌なのでご理解ください。
CZのフレーム下部を切り取ってマガジンバンパーを作製します。
しかしグリップ内側の凸部分が左右非対称なので、フレームも左右非対称に成型されてます。このまま切り出しても高さも長さも足りないので、フレームの他の平面部分も切り出します。
切り出したフレームを切った張ったでバンパーの形状に成型します。今回のカスタムは最初から最後まで切った張ったの連続です。
普通マガジンバンパーはマガジンベースの下側に下方向に取り付けますが、今回はハミ出し部分を隠すために、マガジンベースの下側から「上方向に」取り付けます。変則的な方法なのでバンパーの高さをピッタリにするのがちょっとメンドクサイです。
形状を整えると、こんなカタチになります。
次にバンパーの下側を、マガジンベースがスッポリ収まるように一段低く削っていきます。棒ヤスリや彫刻刀だとうまくいかないので、こんな切削ビットを使います。
マガジンベース周囲の縦幅が1mmなので、溝の深さも1mmになるように削ります。相変わらず雑な加工ですがあまり目立たない場所なので気にしません。
バンパーとマガジンベースをよく脱脂して接着します。ABSの弾力で広がらないように、完全硬化するまでセロテープで固定しておきます
今回もコニシ製ボンド ウルトラ多用途 SU プレミアムハード クリアを使用しました。使いやすくて良い接着剤だと思います。
本当は下側もプラ版でキチンと造り込むべきなのですが、CZのマガジンベースは下側に1mm突出した形状をしています。強度的に0.5mmのプラ版使用で計算するとバンパーが厚くなり過ぎてカッコ悪くなります。個人的にマガジンバンパーは薄い方が好みなので、今回は側面のみの貼り付けとします。
せめて接着面をジーナスで埋めてビシッ!と平面を整えようとも思いましたが、メンドクサイのでやめました。
完全硬化したら塗装します…が、なんとサフを切らしてました! ABS部分だけサフでアラ隠しする作戦だったのに思わぬ失態です。
仕方なく全体を脱脂してイサム塗料のウレタンつや消しブラックで塗装します。
三回目の仕上げ吹きが終わった状態です。写真ではつや消しに見えますが、実際は半艶っぽい仕上がりになりました。実物はポリマー製なので半艶くらいがちょうど良いかも知れません。
完全乾燥したらマガジンに取り付けます。
純正マガジンの面影がなくなってきました。ジェリコオーナーの方でもこの写真をパッと見せられて「何のマガジンですか?」と問われれば、すぐにはジェリコマガジンと判別できないと思います。
バンパー部分を見てみます。「バンパー」とは名ばかりの苦肉の策でハミ出し部分を隠してるのがよく分かります。
バンパーではなくて「壁」ですね…
マガジンベース後端が0.5mmハミ出しちゃってます。加工した寸法はピッタリでしたが、接着剤の弾力で後方に出てしまいました。まぁジックリ見ないと分からない部分なので良しとします。相変わらず詰めが甘いですね。
本体に装着してみます。
バッチリです! ハミ出し部分が完全に隠れてます! しかもカッコイイ!!
とはいえマガジンベースの突出部分が見えちゃってるので造形として完璧とは言えませんが、個人的には大成功です!
突出部分を完全に隠すと計算では2mmバンパーが厚くなりますが、そんなボッテリぶ厚いマガジンバンパーはジェリコには似合いません。やらなくて正解でした。
ただ…マガジンはガス注入の際に必ず目にする部分なので、見る度に「丁寧に仕上げれば良かった」とちょっと(かなり)後悔しています。
気が向いたらジーナスで接着面を埋めて平面を整えます。
それでは最後に記念ショットです!
前回の撮影は晴れた夕方だったので多彩な色が発色してましたが、今回は曇りの昼過ぎなのでブルーグレーというかパープルグレー単色に見えます。プロの塗装は本当に素晴らしいです。実銃写真の中に紛れ込ませてもすぐには気付かれない再現度じゃないでしょうか!?
前人未到の「マガジンを切った張ったでRタイプ化する」基地外カスタムが大成功しました! ものすごく感慨深いです。ブログまで始めて臨んだ甲斐がありました!
ジェリコ編はこれで終了です!
どうも、いつぞやはエールありがとうございました。
暑中お見舞い申し上げます。
うわぁ、ここまで手間暇かけて「すごい」「うらやましい」!
うちの置物と化しているジェリコとは、段違いです。
しかし、実銃・トイガンともにジェリコの教科書になっていってますね。
うちも「実銃用」ジェリコセフティを持っているのですが、一番初期のセフティだと、このブログで分かりました。
大いに参考になります。
この調子で、『カウビ』スペシャルも、いつの日にかお目にかかりたいなぁ、と思いつつ、この辺で。
暑さの猛攻は続きますが、どうぞお体ご自愛ください。
こんばんは。お返事が遅れて申し訳ありません。
ジェリコはお気に入りの中でも特別にお気に入りの銃なので、とんでもなく気合いが入ってしまいました。
おかげで大満足のジェリコを完成させる事ができましたが、ショップ外注のカスタム費用がちょっと言えない額に…(笑)
ブログをご覧頂きありがとうございます。
これからも時に面白く時に皆様の趣味の一助になる記事を書いていこうと思います。
これからも応援、よろしくお願い致します!
ですよね。すっぴんのジェリコ。ただそれだけを保持するために、私も「本体何丁買えるかな? 」な金額を使っております。
お互いに修羅の道を行ってますねー。負けずに頑張りましょう!
ハドソンジェリコ。修羅の道を往く者だけに許された銃。
ここまで持ち手を選ぶ銃もありません。
お互い頑張りましょうね!