ハドソン ジェリコ941⑩

ジェリコが戻ってきました!
我ながらとんでもないモノを造ってしまいました!



今回のカスタムは、実銃ジェリコに関する知識が豊富な方ほど度肝を抜かれる内容になってます。なので少しだけ「予習」にお付き合いください。

米国市場でのジェリコの歴史を簡潔にまとめてみました。
私の英語力と推理力が正しければ、米国市場でジェリコはこのような経緯を経て現在に至っています。

 1. 1990年~1997年 K.B.I.社が輸入販売
    商品名:ジェリコ941
 2. 1998年~1999年 モスバーグ&サンズ社が輸入販売
    商品名:ウージーイーグル
 3. 2000年~2008年 マグナムリサーチ社が輸入販売
    商品名:ベビーイーグル、ベビーデザートイーグル、デザートイーグル
 4. 2009年~2010年 K.B.I.社が輸入販売
    商品名:ジェリコ941
 5. 2011年~ マグナムリサーチ社(カーアームズ社が子会社化)が輸入販売
    商品名:ベビーイーグルⅡ

参考webサイト

こういう訳でアメリカ市場ではジェリコは様々な名前で呼ばれています。
一番ポピュラーなのは販売期間が一番長い『ベビーイーグル』です。『ジェリコ941』も十分普及しています。『ウージーイーグル』は短期間でしたが、天下の「ウージーあやかりネーム」が功を奏してそれなりに認知されているようです。

ハドソンがモデルアップしたのはK.B.I.社が90年代に輸入販売していた最初期型です。刻印の様式に最初期型の特徴が見られます。フレーム右側先端にK.B.I.社のアドレス刻印が打刻されてます。



モデルガンメーカーの本領が炸裂した驚異的な再現度です。これで唯一のダメポイントことフレーム左側の ”HUDSON JERICHO 941” 刻印を打ち直せば、完璧なジェリコが完成します。

しかし! このブログを見て頂いている皆様は既に御存知だと思いますが…私、「人と同じことをするのが嫌」という困った癖を持ってます。ものすごく良く言えば「オリジナリティあふれる発想の持ち主」ですが、サクッと言えば「変わり者」です。

その私がジェリコを「史実に忠実に」リアル加工すると…こうなります!



ウージーイーグルです! モスバーグ&サンズ社からたった二年間しか販売されなかった、実銃ジェリコの中でもレアなモデルです。



店長渾身の塗装が怪しく輝いてます!
ウレタンサフ→ウレタンシルバー→ウレタンクリア→ヘアライン加工→ブルーブラック、の四層塗装です。角度によって色を変えながら「鉄」の輝きを放ちます。ヤバいです!

こちらが再現目標にしたウージーイーグルです。



よくジェリコは「砂漠の強烈な照り返しを考慮した漆黒のつや消しブラック仕上げ」と言われますが、実際は金属感あふれる美しいブルー仕上げです。現行モデルのベビーイーグルⅡはマットブラックコーティングが基本ですが、ウージーイーグルの時代にはブルー仕上げが基本でした。それを再現するために凝った塗装をオーダーしました。

細部を見てみます。
まず刻印ですが、これは左側が圧倒的にド派手です。

小学生の落書きみたいなヘタウマな鷲のマークが、牧歌的なアメリカン風味を醸し出してます。飲む方の鷲のマークはもっと写実的で上手ですが。
アドレス刻印はウージーアメリカ社の住所です。この時期はモスバーグ&サンズ社の子会社で、ウージーイーグルの輸入に関する実務を行っていました。
IMI社の刻印はデザートイーグルと同じですね。





警告文はフレーム右側に移動しています。
これは最初期モデル発売時には存在しなかったフレームマウントセフティ装備の「Fタイプ」が追加されたために、警告文がフレーム左側から右側に移されたのが理由です。

実銃Fタイプの写真です。フィリピン国家警察のジェリコです。
赤丸で囲ったのがフレームマウントセフティです。こんな所にセフティを設置すると、必然的に警告文を右側に移動させざるを得ません。



ハドソンジェリコはスライドマウントデコッキング装備の「Rタイプ」ですが、さすがにデコッキング機能は再現されず、マルイM92Fミリタリーと同じコック&ロックになっています。

続いて金属パーツを見てみます。

ジェリコの金属パーツはお世辞にもキレイではありません。なので仕上げ直しを依頼しましたが…「いくら研磨しても新しいスが出てくるので、逆手にとってビンテージ仕上げにしましょう」と方針変更。一度ブルーイングしたパーツを研磨してビンテージ仕上げにするという、ものすごくメンドクサイ仕上げをして頂いてます。おかげで金属パーツの仕上がりはバッチリです! パーティングラインも完全処理してます!







そして今回のカスタムの目玉! スライドストップです!



私が確認した限りでは、ジェリコのスライドストップは四回の形状変更を受けています。以下に変遷を図示してみました。勝手に最初期~第四期と名付けてます。


ハドソンがモデルアップしたのが最初期で、ウージーイーグルでは第二期と第三期を確認しています。第四期は現行のベビーイーグルⅡのスライドストップです。
今回は第二期のスライドストップを純正+デブコン盛りで作成して頂きました。純正の最初期よりスッキリしたデザインで使いやすいです!

あと細かい所ではアウターバレルにヘアライン仕上げを施して艶を落とし、金属感を増す加工を行ってます。





こうして完成したジェリコことウージーイーグルを引っさげて、今日の昼休みにロケしてきました。
いつものロケ場所で雑草の伐採が行われてたので、今回は新しい場所で撮影です。府中湖はとにかくデカイ上に遊歩道が整備されているので、撮影場所探しには事欠きません。



前回ドルフィンを手すりにブツけたので、今回は遊歩道から降りて手すりのない湖畔で撮影です。手すりも何もない絶壁なので、三脚を蹴飛ばしてカメラを水没させないかドキドキしました。


残念な結果に終わりました…

塗装カスタムで作動が渋くなることはよくありますが、スライドストップがかからないのはかなりショックです…
まぁミクロン単位とはいえ四層も塗膜が重なると、渋くならない方がおかしいですよね。マルイとかだとシャカシャカやってるうちにアタリがとれて不具合が直ったりしますが、コレはガラス細工のように繊細なハドソンジェリコ。箱出し新品シルバーモデルでさえ作動が渋い「上級者向け」商品ですから、塗装なんかした日には動かなくて当然ってなもんです。

完璧なジェリコなんてジェリコじゃない。

もう悟りを開くしかありません。この境地に達しなければジェリコと戯れることなどできません。人生観が試されるエアガンです。

最後はロケ写真をババン!と掲載します。
我ながら会心のジェリコカスタムをご覧ください!





大きさがピッタリだったCZ実物ガンケースに入れてみました。撮影用アクセサリーとして実物M9放出品マガジンにダミーカートを装填してみました。ジェリコマガジンはM9マガジンとも形状が似ています。
クリーニングロッドはガンケース付属品です。





作動が完璧ならこれでジェリコ編は終了でしたが、スライドストップがアレなので、もうちょっと続きます。
ハミ出しマガジンもなんとかしたいですし。
とはいえ今はお腹いっぱいなので、しばらくジェリコはお休みです。

次はなにを弄ろうかな…




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