ドルフィン あるいは フロビスネイビースライド②

だいぶ前に「ドルフィン」について考察しました。「日本で ”ドルフィン” と認知されているフルオート・マシンピストルは実在しない」というお話です。このところジェリコの記事が続いたので、お忘れの方は過去記事をご覧ください。



これを踏まえた上で、史実に忠実な「フロビスネイビースライド」を搭載したベレッタを作製します。つまりマルイM92FミリタリーとライラクスのドルフィンFSコンバージョンキットをベースにカスタムしますが、「フルオート機構は組み込まない」ということです。もちろんスライドとフレームの刻印は全て打ち直します。

またもや基地外カスタム勃発です。自分では「凝り性」と思うことにしてます。
まず時代背景を考えてみましょう。

M92Fのスライド破損事故が多発したのは、米軍正式採用後の1987年。実に14件もの事故が発生しています。これを受けて海軍はすぐにフロビス社に対策用スライドこと「フロビスネイビースライド」を試験発注したはずなので、このスライドが作成されたのは88年~90年頃と推測されます。

この時代は前身モデルの92SBがまだまだ現役で、M92Fと92SBが混在して使用されていました。実際に80~90年代に製作された、または後に時代背景を80~90年代に設定して製作された映画には、92SBが驚くほど登場しています。

まずは『コマンドー(1985)』です。ちょっと判別し難いですが92SBです。シュワルツェネッガーが持つとポケットピストルに見えますね。



続いて『ニキータ(1990)』です。これも判別し難いですが92SBです。



そして『ヒート(1995)』です。コンパクトモデルの92SBcが登場します。



意外なところではSF映画『インディペンデンス・ディ(1998)』にも、M92Fと92SBが混在して登場します。



そして80年代の殺し屋稼業を描いた『キラー・エリート(2011)』では、ジェイソン・ステイサムが場面に応じてM92Fと92SBの両方を使います。



こんな感じで、80~90年代には92SBがまだまだ現役だったことが伺えます。
このことは「フロビスネイビースライド」の民間市場向けパンフレットに記載された「適合機種」を見ても明らかです。



最後の一行に適合機種が記されてます。"Fits M9, M92F, M92FS, M92D, M92SB Beretta Pistols” とあります。要は「AFPBを搭載したベレッタなら組込可能」ということです。なので実際にM92Dや92SBとこのスライドを組み合わせた人がいた可能性は十分にあります。

鋭い方はもうお気づきでしょう。ここまで長々と92SBと「フロビスネイビースライド」がほぼ同時代に存在していたことを論じた理由はこれです。

「M92Fミリタリーを92SB化する」

普通にM92FミリタリーとドルフィンFSコンバーションキットを組み合わせただけでは、時代的なものが感じられません。なら92SBがいいんじゃない?という、ごく単純な発想です。グリップもレトロ路線でウッドグリップを使用します。
ただフレームの色は、冒頭の実物写真に敬意を表してOD色にします。「OD色の92SB?」は確かに変ですが、”MIL-SPEC matte black finish” スライドとスチールブルーフレームの組み合わせだと地味になりすぎるので、コントラストが効いて良い感じになるのを期待しての色チョイスです。

幸いにもM92Fミリタリーはウチに転がってます。
さぁ出番ですよ。

次回に続きます。




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