ドルフィン あるいは フロビスネイビースライド①

銃の強度は実銃・トイガン問わず重要です。精魂込めてカスタムした愛銃がこんなになったら、発狂しますよね。



”ドルフィン” は、鉄砲好きにとってはある意味特別なモデルです。マルシンのモデルガンは根強い人気に支えれられて現在も継続発売されています。エアガンでは過去にZEKEがフルオート・メタルスライドセットを販売し、そのエベレスト級に常軌を逸した組込難易度にも関わらず人気を博しました。そして昨年7月にライラクスから安価で簡単に組み込めるフルオート・スライドセットが発売され、マルシンドルフィンやZEKEドルフィンを知らない若い鉄砲好きを虜にしています。フルオート射撃の爽快さと「カスタムしてる!」ワクワク感が手軽に味わえるのですから、人気が出ない訳がありません。



ドルフィンの歴史については、マルシンがHPでそこそこ詳しく紹介しています。ちょっと長いですが引用します。

★ アメリカ軍に正式採用されているM9ピストル(ベレッタM92FFS)ですが、U.S.Navy(アメリカ海軍)においては(特に特殊部隊で)サブマシンガンとの共用のため火薬量の多い9mmパラベラム弾がしばしば使用されます。そのためスライドの上半分が大きく空いているオリジナルのM9ピストルでは早いものでは1000発から3000発が発射されるあたりでスライド中央部のロッキングブロックが噛むあたりにヒビ割れが発生し、ひどい場合にはスライドの後ろ側が射手に向かって飛んでくるケースもあったようです。そのため軍では発射1000発ごとにスライドを交換するよう命令を出したと言われています。ベレッタ社ではFSモデルでハンマーピンを大型化させ、万が一スライドが割れてもフレームから外れない様改良しましたが、アメリカ軍を満足させるには不十分な処置でした。
 この問題を解決すべく、U.S.NavyはカリフォルニアのPhrobis社にスライドの改良を依頼、チーフデザイナーのミッキー・フィンによってこの新しいスライドは開発されました。ミッキー・フィンは現在アメリカ軍で使用されている、M9多目的バヨネットをデザインした人物でもあります、このPhrobis社のスライドはコルト・ガバメントの様にフルカバー形状となっており、オリジナルのM9ピストルでは弱いとされていたスライド中央部のロッキングブロックが噛むあたりは左右に大きく肉付けされ、頑強なデザインとなっています、このスライドのプロトタイプの大半はU.S.Navyによって耐久テストが行われ、実に77000発以上の発射にも十分耐えうる性能を発揮しました。
 その後、このスライドが軍に正式に採用されたという話は聞かれませんが、マルシン工業ではフルオートマシンピストルを作るにあたって、このデザイン的にも優れ、フルオートの衝撃にも十分耐えうるPhrobis社のスライドのモデルアップを決定しました。過去アメリカ軍によって何点かのマシンピストルがテストされたようですが、機密事項である事が多く、詳しい内容はあまり知られていません。★

古くからの鉄砲好きにとっては共通の認識とされている事柄ですが、ライラクスドルフィンが「初ドルフィン」の若いユーザーが増えたことで(若いユーザーはマルシンのHP見ませんので)決着したかに見えたこの疑問が、yahoo知恵袋などでまた再燃している様です…

「ドルフィンは実在のフルオートピストルなのか?」

実銃 ”ドルフィン” に関する情報源として有名なのが、以下のページです。
結構詳しく書かれている上に、この文章以外にドルフィンのことを語る資料が存在しないミステリアスさが内容の信憑性を高めている感があります。

ザックリ翻訳してみます(かなり意訳しています)。

★ ”ベレッタドルフィン” はネイビーシールズのために極秘開発されたセレクトファイア・ピストルだとまことしやかに語られているが、そうではない。ドルフィンはベレッタ社が製造した「拳銃」だと誤解されることが多いが、実際は「フロビスネイビースライド」という「スライド」である。”ベレッタドルフィン” などという拳銃は存在しない。
スライド設計者チャールズ・ミッキー・フィン氏の話では、彼はベレッタ92Fのスライドが破断し射手の顔面を直撃する問題を解決するためにフロビスネイビースライドを設計・製作し、少数の完成品を海軍に持ち込んだ。「非常に強靭で卓越した性能のスライド」と評価されたが、軍内部そしてベレッタ社内部の ”政治的理由” により量産化は見送られ、スライドはすべて民間市場に売り払われたそうだ。
ヘタクソなコピー品を見たことがあるが、加工は荒いわ刻印はエアガンより汚いわで、誰が買うんだ?レベルの品であった。
スライドのイルカマークはあくまでもフロビス社のロゴマークであり、”ベレッタドルフィン” なる拳銃のトレードマークではない。
このサイトに掲載している写真はすべて正真正銘本物のフロビスネイビースライドである。OD色の92Fにこのスライドを組み合わせているが、動作は非常に滑らかだ。スライドの機能性を解説したパンフレットも同時に掲載する。★

要するに、マルシンの「…過去アメリカ軍によって何点かのマシンピストルがテストされたようですが、機密事項である事が多く、詳しい内容はあまり知られていません」の一文が誤解や疑問の元凶な訳で…

実物(とされる)ドルフィンの写真を見てみます。





確かに刻印がマルシン、ZEKE、ライラクスのどれとも異なります。またスライド左側のセレーション下部のスライドストップを逃がす切り込みや、右側セフティ部分の逆三角形の円弧の頂点が下側に切れて開いている形状も、これまで商品化されたドルフィンには見られません。

私の記憶ではこのOD色のガンケースは、カラーバリエーションが三色くらいあった旧型の純正ガンケースだと思います。しかもガンケース内側にフロビス社のロゴマーク入りの銘板が張られています。信憑性高いですね。







パンフレット写真二枚目中段下に ”FACTORY CONVERSION AVAILABLE” とあることから、このロゴマーク銘板付きガンケースに収められたドルフィンは、スライド組込み済みのコンプリート品ではないか?と推測されます。

パンフレットに記載されたスライド右側のアッセンブリナンバーと実物(とされる)ドルフィンのスライド右側のアッセンブリナンバー刻印が同じことからも、この写真が本物の「フロビスネイビースライド」である可能性が非常に高いです(もちろんすべてがフェイクならどうしようもありませんが)。

こんなに興味深い ”ドルフィン”。買わずにはいられません。
次回に続きます。




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